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Archive Interview – ジョセフ“ジガブー”モデリステ

  • Interview:Rhythm & Drums Magazine
  • Photo:Gilles Petard/Getty Images

昨日12月28日はザ・ミーターズのドラマー、ジョセフ“ジガブー”モデリステの72回目の誕生日。“ニューオーリンズ・ファンク”と呼ばれるスタイルを創造したバンドのまさに要であり、セカンドラインを発展させた超濃密なグルーヴで世界に衝撃を与えたドラム・マスターである。今も現役で活躍する彼の功績を振り返る意味も踏まえて、ここではドラム・マガジン2004年10月号で実現したジガブーのアーカイヴ・インタビューの一部を掲載しよう!!

私のコンセプトは、1つのドラム・プレイを考えつつ、実際にはもう1つ別のドラムをプレイするというもの。そしてそれらをうまく適応させるんだ

単なるドラム・ビートだけじゃなく
“サウンド”を作り出そうとしたんだよ

●初期ミーターズでのあなたのプレイは、ドラミングの一時代を作ったものだと考えますが、ニューオーリンズ独特のものをしっかりと基盤にしながら、あなたにしかなし得ない要素が加わっていると思います。ご自身では、当時の自分のスタイルをどのようにお考えですか?

ジガブー 当時は商業的な要素がかなりあったんだよ。ラジオで聴かれる音楽のようにドラムをプレイして、それをどのような音楽に使うか選ぶ、というようにね。当時、ブッカーT.&ザ・MG’sは最高のインスト・グループだった。他にもいろんな連中がいろんなことをやっていたけど、ブッカー達には素晴らしいパワーがあったよ。そして素晴らしいグルーヴも持っていた。でもビートは極めてストレートなんだ。アル・ジャクソンなんかは、ただ座ってストレートにプレイしてるだけなんだけど、見事にハマっているんだよ。偉大なドラマーというのはみんなそうさ。彼はそれができるすごいドラマーだった。欠点のない、いわゆるマスターだったよ。

それでミーターズに関してだけど、ミーターズを始めるにあたっては、私達はインストしか考えてなかったんだ。しかし、単なるインストを超えて、コマーシャルな面も保ちつつ、違う方向に持って行こうとしたのさ。だからいくつかの曲は、ラジオでのオンエアに向けたものであったけど、実際には、例えば「Cissy Strut」のように複雑なパターンが、みんなに気に入ってもらえたんだよ。私達は、他とは違うオリジナルの音楽を作ることに誇りを持っていた。ブッカーT.と同じものをクローンするんじゃなくてね。彼らには独特のスタイルがあり、それは実際には誰も真似できることじゃなかったんだ。だから、彼らはすごかったんだよ。私達はヴォーカリストを使わないぶん、インストのソロにも役割を増やして、いろいろと工夫して、音楽を興味深いものにする必要があったんだ。ミーターズのミュージシャン達は、私に好きにプレイさせてくれたから、私にとっては好都合だったよ。何か決まりきったものや与えられたものをプレイするんじゃなくて、「ヘイ、何か自分の好きなドラム・ビートを叩いてみてくれないか?」というような感じでね。でも、私は単なるドラム・ビートだけじゃなくて、“サウンド”を作り出そうとしたんだよ。それが自分にできたことや、それを続けることができたことに関しては、神に感謝しているんだ。でも、その中の多くの部分は、それまで仕事をしてきた連中や、ニューオーリンズのいろんなミュージシャンや他のドラマーなどを聴いたりして、自分自身のもつけ加えていったからできたことだと思っている。

本人が「Cissy Strut」を解説する最新の動画!

●例えば「Cissy Strut」の冒頭の、あの、複雑ながらファンキーなパターンはどのように生れたものなのでしょうか?

ジガブー あのパターンを作ってから、もうずいぶんと時間が経つけど、当時ニューオーリンズのパレードに出ていたドラム&ビューグル・コー(マーチング・バンドの一形態)にとても興味があったんだ。マルディ・グラというのは火曜日1日だけだけど、パレードは実際には7日間くらい、毎日、毎晩やるんだよ、他の州からもドラム&ビューグル・コーとかがたくさんやって来るし、私もいろいろとマーチングやパレードを観て聴いて楽しんだし、影響も受けて、それをヒントにしたものさ。だから「Cissy Strut」では、そうしたリズムと、ちょっとレイジーなフィーリングを発展させてみたんだ。そう言えば、シーバというプロフェッサー・ロングヘアーのバンドで叩いてたドラマーがいてね。彼とかニューオーリンズの他のドラマー達のプレイからもいろんなアイディアを得たことを覚えているよ。つまりニューオーリンズのマーチング・バンドに夢中になったことも含め、自分がいろいろと聴いてきたことがアイディアとして、ミックスされているんだと思う。

●“セカンドライン・ファンク”、こう呼ばれるビートは、ミーターズ、ひいてはあなたが生み出したものと言っても過言ではないと思いますが、このリズムはどのようなものなのでしょう?

ジガブー 私はただストレートにプレイするのを避けるようにしてきただけなんだ。つまり、2拍と4拍のバック・ビートという単純なコンセプトをストレートにプレイするのではない、ってことだよ。私のコンセプトというのは、1つの曲と一緒に、もう1つの曲をプレイするというものなんだ。それはつまり、1つのドラム・プレイを考えつつ、実際にはもう1つ別のドラムをプレイするというわけさ。そして、それらをうまく適応させるんだよ。例えば、誰かが2拍と4拍のバック・ビートをすでに叩いていると想像して、自分を2人目のドラマーとして装飾的にプレイする。2と4の間のスペースに橋を架けるようにして、シンコペーションを作り上げるのさ。つまり、2拍と4拍の間のスペースでダンスするんだよ。でも、常に2拍と4拍を感じ、そこに2拍と4拍があるかのようにプレイするんだ。さらにその間のスペースで、みんなが思いもよらないドラム・ビートをプレイするわけなんだ。そうやって、私の普通じゃないフィールができていったんだよ。これは、けっこう集中してないとできないことなんだ。前にも言ったように、私は誰にもプレイの仕方や“こうしなければいけない”などということを言い聞かされたわけじゃないから、自分の作りたいスタイルを作ることができたし、そしてその結果が私のドラム・スタイルになったというわけなのさ。

本インタビューは2017年4月号の「No Roots, No Groove」特集にも掲載