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【Interview】 重鎮ドラマー、ジョン“JR”ロビンソンが始動させた新たなトリオ=SRTの全貌に迫る!

  • Interpretation & Translation:Akira Sakamoto
  • Photo:Takashi Hoshino
  • Special Thanks:Billboard Live Tokyo
  • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine

SRTのメンバーが語るJRグルーヴの魅力!

ミッチ・タウン

ジョンのグルーヴはとても懐が広い
何をやってもタイムが安定しているという安心感

ジョンの特徴はとにかく彼の安定したフィールだね。彼が最も多くのレコーディングに参加してきた理由もそこにある。みんな彼の安定したフィールを求めているんだ。でも、SRTの素晴らしさは、彼にとって安定したフィールを提供するだけじゃなく、他の状況ではなかなかできなかった、自由に伸び伸びと演奏する機会になっているというところにあると思う。僕らと一緒に演奏することで、彼は今まで積み上げてきた練習の成果や経験を存分に発揮できる。僕らはあらゆるスタイルやフィール、グルーヴの音楽をやっていて、彼はそれを楽々とやってのけることができるからね。

そしてジョンのグルーヴはとても懐が広い。おかげで、僕はとても楽に、伸び伸びと演奏できるんだ。何をやってもタイムが安定しているという安心感があるから、たっぷりと間合いを取った演奏もできるし、常に音を鳴らしていなきゃならないという切迫感を持たずに済む。何かを表現しようとことさら努力しなくても、グルーヴに身を委ねて、そこから有機的に湧き上がってくるものを音にすればいいんだ。

(アルバムの中で最もJRらしさが出ていると思う曲は?)……僕の「Alta Vista」かな。これは80年代前半のクインシー・ジョーンズの作品なんかで聴かれる、ジョンの代表的なレイド・バックしたスタイルのドラミングが欲しくて書いたからね。あの“ポケット”は素晴らしいよ。

ミッチが選ぶJRの1曲!

アンドリュー・シノウィック

ジョンと一緒に演奏していると
毎晩何が起こるかわからない
その意味でも彼は最高のドラマーだよ

ジョンと一緒に演奏していると、毎晩何が起こるかわからないという、ワクワク感がある。テンポにしても、ある晩はBPM=120で演奏していた曲が、次の晩はBPM=150になったりするからね。僕も常に、何かびっくりするようなことを求めているから(笑)、その意味でも彼は最高のドラマーだよ。

世の中には2つのタイプのドラマーがいる。1つはとても創造力豊かで、ありとあらゆるクレイジーなことをやりまくるタイプで、演奏は素晴らしいんだけれど、往々にしてシンプルにポケットを創り出すのは苦手だったりする。もう1つはグルーヴは良いんだけれど、こちらがソロの中でそれまでとはちょっと違うことをやろうとしても、延々とお座なりのプレイをするだけ。それはそれで良いんだけれど、会話としては一方通行になってしまう。その点、JRはどちらもできるんだ。彼みたいなドラマーは簡単には見つからないよ。

(アルバムの中で最もJRらしさが出ていると思う曲は?)……1曲目の「Tal Shia」かな。彼と僕の共作だけれど、彼がまず、「これ、どう思う?」と言って、録音したグルーヴを送ってきたんだ。この曲を他のドラマーと一緒に演奏するとしても、シャッフルだとかバック・ビートの強力なやつだとか、言葉で表現できないぐらいユニークなグルーヴで、僕はそれにメロディを乗せて、彼と一緒に曲を完成させたんだ。

アンドリューが選ぶJRの1曲!