PLAYER

UP

和楽器バンド 山葵が語るシングル「Starlight」の聴きどころ!

椅子の上でお尻がダンスしてるイメージ
常に骨盤を動かしてノリを出すように
最近コツをちょっと掴んだ感じがした

去る6月9日、和楽器バンドがリリースした最新シングル「Starlight」。表題曲は全編に渡り打ち込みが鳴る中、山葵のウネる16ビートが自然と身体を揺らす。また、アニメのOPとして年初の“大新年会”でお披露目となった「生命のアリア」も収録。楽曲後半での大胆な場面展開と共に繰り広げられるツーバス・フレーズやコンビネーション・フィルに圧倒される。今回は本作のドラム的聴きどころの他、カップリング曲に対するスタンスに関しても山葵自身に語ってもらった。

Starlight

ドラマのチームと長い間試行錯誤した曲
フレーズやキメの指定が今までで一番多かった

「Starlight」は町屋さん(g、vo)がいろいろなインタビューでも言っているように、フジテレビ系月9ドラマの制作チームと一緒にすごく長い間試行錯誤していましたね。初期段階にデモをもらっていたんですけど、そこからいろいろブラッシュアップしていって、レコーディング当日に最終版のデモをもらったんです。最初に聴いた曲と完全に別の曲でしたね(笑)。それくらい変わっていました。フィルイン1つにしても、「このフィルインでいってくれ」っていうのがあったり、今までの和楽器バンドの中で、一番細かくフレーズやキメの指定が多かったように思います。

ドラムのビート感も基本的に16ビートのリズム・パターンだったんですけど、極力シンプルに、ループ感を強く、グルーヴ感を前面に出すというか、そういう点で自分の中で細かくダイナミクスの変化も感じながら叩いていますね。

1年以上前から、手先を動かして叩くというよりは、身体の動きに合わせて手がついていくというふうなフォームと言いますか、そういう身体の使い方をすごく意識するようにしているんです。極端に言うと骨盤でドラム叩いているイメージなんですよね。骨盤を寝かすと後傾して猫背っぽくなるし、その状態から骨盤を立てると背筋が伸びて前に動くじゃないですか。これだけでも結構な動きで、それに合わせて腕があとからついてくるっていう感じで。

人間の身体のつくりって、中心になればなるほど強いパワーが出るので、指先よりも前腕、二の腕、肩、胸、みたいな。それをもっと突き詰めると、骨かなって。筋肉で叩くというよりは骨で叩く、その操作する根源が骨盤のあたりだと思うんです。“Starlight”のシンプルな16ビートだけを例に挙げても、手先だけで出せるグルーヴって限られると思うんですよね。それを椅子の上でお尻がダンスしてるイメージ、常に骨盤を動かすように、重心を変えてノリを出すように、最近1つコツをちょっと掴んだ感じがして、それが今回のタイミングで反映できたかなっていう感じですね。

僕は、超絶テクというよりはチャド・スミスや(スティーヴ)ガッドのように、一発に説得力があるプレイが好きで、どうすれば出せるのかなって考えてきたんです。身体のつくりが違うからまったく同じようなことはできないんですけど、僕は僕でもっと自分の身体の中から表現するためにはっていうのを勉強して実践している感じですね。

今まではどちらかというと点で叩いているイメージが強かったことに気づいて、今は身体を使った1つの大きな流れの中にそれが入り込んでいる、まさにグルーヴだと思うんですけど、そのグルーヴの波の中で手足で演奏した音が鳴っているっていう、そんなイメージですね。すごくダンスに近いんだと思います。身体全体を使うことでもっと大きな表現といいますか、もっと力強かったり、音楽的な表現ができてるのかなと今は実感してますね。

「生命のアリア」、「ブルーデイジー」、「雨上がりのパレード」の解説は次ページへ!