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Report – “慈愚挫愚 5周年記念禊 〜ハキュナマタタ〜”関東編をレポート!(影丸[-真天地開闢集団-ジグザグ])
- Text:Rhythm & Drums Magazine
「みんな猫になる準備はできれんのか!?」と始まったのは、ジグザグお馴染みのアッパー・チューン「拙者忍者、猫忍者。~木天蓼三毛蔵と町娘おりん~」。曲が始まる前にメンバーが振りつけをレクチャーする際、命様に「ちょっとやってみて」と言われ、影丸が踊ってみせるが、その完成度が高く、思わず参拝者達が手拍子でノリ始める場面も。メンバー全員が楽器を手放し、もちろん規制に則りつつ会場の参拝者達も“猫忍者”になりきって踊り倒し、禊の高揚感は高まっていく。その勢いに乗るように、シャッフルのリズムで愉快に展開される「兎girl」や、龍矢(b)が奏でるアグレッシヴなベース・ラインが印象的な「Requiem」を熱演。さらに、「Guru」での影丸のドラミングも聴きどころ満載で、ギターとユニゾンするフット・ワークや小気味良いシンバル・ワークも圧巻。
「キーウィのさんぽ道」では、命様がアコースティック・ギターを手に取り、こぶしを効かせて熱く歌い上げると、いよいよ“影丸のドラム・ソロ”コーナーへ。その余興としてEDM風の打ち込みが流れると、自然と“影丸コール”が発生! 手拍子が段々と大きくなり煽られると、影丸が座るドラム・セットにスポット・ライトが当たり、豪快なスネア・ロールからソロがスタート。ビートを刻みながら、随所に高速タム回しや切れ味の良いシンバルのキメを挟み込んでいくが、音数の多いフレーズを爆音で叩いていても、1つ1つの音像がはっきりしていて、まったくうるさくなく、1つの“楽曲”として成り立っているように聴こえるのは、セット全体の音色のバランスを意識して機材をチョイスする、本人のサウンドへの強いこだわりが感じられる。
ライヴは後半戦に突入し、呪術的な歌メロとサビのポップな解放感が絶妙に融合した「顔が好き」、何度も叫ばれる“島田”が脳裏に焼きつくパンク・ナンバー「夢に出てきた島田」などを繰り広げ、会場の盛り上がりはピークに。極めつけは、疾走感のあるテクニカルなハード・ロック曲「復讐は正義」。サビ前に突き抜けるように打ち鳴らされるフィルイン、骨太でグルーヴィに打ち鳴らされるドラミングは痺れるほどにクール。さらに、龍矢のウネるベース・ライン、命様の高速ギター・ソロと鮮やかなヴォーカル……3人の確かな技量をあらためて実感するハイライト・シーンであった。
最後に、命様自身が『本来のジグザグの姿はこれだ!』と豪語する楽曲でファンの人気も高い「きちゅねのよめいり」では、演奏の合間にはキツネのポーズで踊りつつ、スティック回しや、“こんっ!”の部分でピッチ違いのスネアを1発叩くなど、エンタメ力溢れる影丸のパフォーマンスも楽しい。そして「ええじゃないか」でライヴのピークを迎え、会場のボルテージは最高潮に達していた。
ラストは爽やかなロック・チューン「Promise」でお別れ。物々しい雰囲気が滲むイントロに対して、これからの希望を表す歌詞が、コロナ禍におけるメッセージのように感じられ、会場の参拝者も感無量の表情で聴き入っているようだった。感染対策を万全に行い、以前とは違った状況での禊ではあったが、ジグザグ約1年半ぶりの禊は、5周年を祝うイベントとしてふさわしいものとなった。
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