NOTES
世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介! 今回は北米地域、「ニューオーリンズ系のリズム」を紹介します! ここで生まれたビートが、ジャズやR&Bとも深く関わっているので要チェック‼︎
#13 ニューオーリンズ系のリズム
ニューオーリンズ系のリズム その1 – 2ビート
2ビートは“ハネるビート”のように言われていますが、実際はほとんどイーヴンに近く(みんなイーヴンのつもりで演奏していますが)、フィルだけ=イーヴンということもあります。偶数小節の4拍目に低音のアクセント。バス・ドラムがかなり自由で、1拍目が抜けたり、2拍目ウラ、3拍目ウラに即興で入れるのも習慣的で、むしろその方が多いです。
Ex-1〜2までまとめて聴いてみよう!
ニューオーリンズ系のリズム その2 – セカンドライン
上記同様で、少しパターン化した感じです。とはいえ律儀にやっていると感じが出ません。即興性が大切。さまざまな意見がありますが、キューバ音楽のソン・クラーベと音型が近く、2-3と言われています(スネアのアクセントに沿っている。バス・ドラムは逆行だそう)。奴載制がもたらした音楽でもあるので、ラテン音楽に共通するものがあるはずです。ジャズでもアフロ・キューバン同様によく使われるし、ハーフ・タイム・シャッフルの起源でもあるらしい。
Ex-3〜5までまとめて聴いてみよう!
ニューオーリンズ系のリズム その3 – セミ・シャッフル(半ハネ)&Dr.ジョンのリズム
セミ・シャッフルのリズム(Ex-6)は、いわゆる南部のドラマーが普通の8ビートを叩こうとしたらこうなってしまったという典型。再現してみたい人は薬指と小指の間にスティックを持ってEx-106シャッフルをやってみましょう。また南部ではスネアのゴーストを普通にバズ・ロールでとか、5ストローク・ロールでとかが入ってきます(Ex-7)。こういったネバついたリズムの表現には、下半身はそのまま先行して動いてもらって、上半身だけをレイドバックさせる必要があります。下り坂を歩く感じを身につけるだけで、決して思考や理屈でやらないこと。ずれ具合いは好みの問題です。
Ex-6〜8までまとめて聴いてみよう!
岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER
■#1:キューバ系のリズム①
■#2:キューバ系のリズム②
■#3:キューバ系のリズム③
■#4:キューバ系のリズム④
■#5:カリプソ系のリズム
■#6:ブラジル系のリズム①
■#7:ブラジル系のリズム②
■#8:ブラジル系のリズム③
■#9:レゲエ系のリズム①
■#10:レゲエ系のリズム②
■#11:その他の中南米系のリズム①
■#12:その他の中南米系のリズム②
◎Profile
岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。
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