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岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” #11 – その他の中南米系のリズム①
世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介! 「中南米系のリズム」をさらに深堀していきます。これまで紹介してきたもの以外の中南米系のリズムをドラム・セットで実演して一挙解説していきます‼︎
#11 その他の中南米系のリズム①
その他の中南米系リズム その1 – メレンゲ(ドミニカ共和国)
メレンゲのリズムは、“ルグルグルン”という1拍目に向けての連打が特徴ですが、20年ぐらい前から“ルグルグルグ”っとアタマの16分音符2つを強調するようになり、その10年後には特徴であった1曲目に向けての運行はほぼ消滅。もう古臭いんだろうな、日本人が昭和の評囲気を感じるように……。後に紹介するバンビチェは、歌のかけ合いのセクションで使われますが、今となってはソンゴやファンクにもなっています。でも、その混ざり具合いがなんともカッコ良いのです。
Ex-1〜3までまとめて聴いてみよう!
その他の中南米系リズム その2 – ワイノ(ペルー)
「コンドルは飛んでいく」と同じ起源の音楽で、現在も現地では同様の歌謡曲、ダンス音楽、アイドル音楽(一度ぜひネット上の動画などでご覧になってください)があります。“タッタタ”が限りなく3連に近く、この2番目の“タ”にベースなど低い音が入りますが、そこを4分打ちと勘違いしてはいけません。最近はバス・ドラムの4分打ちも多くなってきましたが、そうそう、これ知らない人の前でやると、ただ下手にしか聴こえないので……。
Ex-4〜5までまとめて聴いてみよう!
その他の中南米系リズム その3 – ランバダ(ペルー)
シンプルなリズムで、中南のどこへ行っても耳に入ってくるリズムです。そのため、いろいろな名前のリズムの元になっており、キューバのブレーナ、ブラジル北部のバイヨンの原型とも変わらりません。強いて言えば捻り方やイントネーションなどの違いによって、それぞれの国の感じに変わっていきます。なぜここで紹介するのかというと、あの一世を風靡した「ランバダ」の原曲は、実はワイノにすごく近いノリで演奏されていたからです。あと、あの踊りはブラジル北部のものらしいです。
その他の中南米系リズム その4 – フェステホ(ペルー)
山岳地帯の音楽で有名なペルーですが、海岸沿いにも面白いリズムがあり、ペルー黒人音楽で最も演奏される代表的なリズムといえばこれ。6/8で現地人は“3拍子、ワルツです”と言っておきながら2拍子で手拍子を打ち、2拍子で踊っています……これ、すべての6/8の基本ですね。なので4連符ぶち込むのは平気だそうです。バス・トラムは3拍子、ハイハットは2拍子同時進行。さりげなく楽しく演奏できないと誰も踊ってくれません。
岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER
■#1:キューバ系のリズム①
■#2:キューバ系のリズム②
■#3:キューバ系のリズム③
■#4:キューバ系のリズム④
■#5:カリプソ系のリズム
■#6:ブラジル系のリズム①
■#7:ブラジル系のリズム②
■#8:ブラジル系のリズム③
■#9:レゲエ系のリズム①
■#10:レゲエ系のリズム②
◎Profile
岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。
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