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the Focus – ドラマーの足元に大接近! – #6 玉田豊夢

  • Video:Rhythm & Drums Magazine Photo:Taichi Nishimaki Text:Yusuke Nagano

the Focus #6:玉田豊夢

ドラマーなら誰もが気になる足元の動きを、ウェアラブル・カメラのGoProを駆使して超近距離で捉える新連載=“the Focus”! 第6回目は、溢れる歌心と彩り豊かなサウンド・アプローチで、さまざまなアーティストから引っ張りダコの売れっ子ドラマー、玉田豊夢。リズム&ドラム・マガジン21年4月号掲載“CANOPUS Yaiba 24 Kitの実力 feat.玉田豊夢”取材時に撮影した変幻自在なフット・ワーク映像を公開!

フレキシブルな動きから繰り出される
抑揚に富んだ表現力

エモーショナルでエネルギーに満ちた玉田豊夢の足元動画は、フレキシブルな動きから繰り出される抑揚に富んだ表現力が素晴らしい。バス・ドラムの奏法はヒール・アップを軸として、ヒット後の主にビーターを打面に密着させるクローズ奏法を用いて、アタックの効いたツブ立ちを得ている。足をフット・ボードの先端寄りに乗せているのも特徴的で、足裏の圧力を加えるポイントは、親指のつけ根の拇指球辺りからつま先までを臨機応変に使い分けているようだ。

単打を踏むときのカカトの高さは、求めるニュアンスによって変化しており、鋭角的なツブ立ちや大きな音量では高めに上がっている。またヒット時に足を下ろした際も、カカトをヒール・プレートから微妙に浮かせた状態で、つま先に圧力をかけ続けているケースが多く、休符の間にはゴースト・モーションのようにカカトでリズムを取る動き(0:09〜)を混ぜることもある。そして丸みを帯びた繊細な表現ではさりげなくヒール・ダウン(0:12〜)にスイッチしたり、さらにはカカトをヒネるような動き(0:34〜)や、斜めに下ろすような動き(0:50〜)などを織り交ぜながら自在にペダルを操っている。

連打は、腿を一回落とす動作の中で高さを2段階に分割して踏む奏法を中心に演奏しているが、求める音量やツブ立ちによっては1打目の予備動作がつま先立ちになるくらい大きいときもある。そして勢いのある高速連打ではスライド奏法も併用(0:42〜)。動画では3連打のシーン(0:18〜)も多いが、そのときはカカトを高く上げた位置で足首のスナップを生かして2打。続いてカカトを下ろしながら3打目を踏むというコンビネーションが多いようだ。

また左脚のハイハットの多彩さも見逃せない部分で、右足と同様にヒール・ダウンからヒール・アップまでを自在に駆使して、表現力の豊かに音色を操っている。特に脚全体を上下させる動きの中で、足首を返した状態で固定して足裏を大きく浮かせるフット・スプラッシュと、つま先を波のように動かして絶妙な圧力で鳴らすクローズ音を使い分けているあたりは注目(0:52〜)。これらの左右の脚のダンサブルな連携には、股関節から脚全体を統制する身体操作の巧みさや、体幹バランスの鋭さもよく表れている。

Next ▶︎▶︎ 17年8月号に掲載された
玉田のBass Drum Techniqueの一部を特別公開!!