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ゼロから始める! 初心者のためのドラム・ガイド
- Text:Yuichi Yamamoto (RCC Drum School)/Photo:Takashi Yashima/Illustration:eobrazy(iStock)/Model:Koharu Yamaki
【Section4】“今すぐ始める!” 手足でドラマー体験
ドラム未経験の人は“ドラマーって手足をバラバラに動かすのが大変そう!”という印象を抱くと思います。しかし実際にドラムを始めたときに感じる難しさは“手足をピタリと揃えること”なんですね。まずはその体験&練習をしてみましょう。
まず椅子に座って、(写真1)のように両手両足を上に振りかぶります。続いて、その両手両足を一斉に落とし、“パン!”という音をイメージします(写真2)。このとき、両手足から出る音が“パン!”と1つの音に揃って聴こえるでしょうか? もし4つの音がバラバラに鳴ってしまった場合は、ピタリと揃うまでタイミングを調整してみてください。コツは“落とすタイミング”だけではなく、“振りかぶるタイミング”も揃えることです。うまく揃うようになったら“ワン・ツー・スリー・フォー”と言葉でカウントを繰り返しながら、“パン・パン・パン……”と繰り返してみましょう。
今の動きをドラム・セットに向かって表現すると(写真3)と(写真4)になります。これは右手=ライド・シンバル、左手=スネア・ドラム、右足=バス・ドラム、左足=ハイハット・シンバルという4つの楽器の音を同時に叩くイメージですね。この動きをまず最初に体験し、“両手両足を同時にコントロールする”、“両手両足を使ってリズムを表現する”というドラマーの大切な動きと使命を感じ取っておきましょう。
〜詳しく知りたいドラム奏法のベーシック〜
Q.1 何も道具を使わなくてもドラムの練習はできる?
A.1ドラム・セットを使う音楽は4拍子でできている曲が多いので、ここでは4拍子の基本となるリズム・パターンを手足だけで練習してみましょう。取り組む動きは(写真5)→(写真6)→(写真7)→(写真8)の順です。
まずは、右手と右足を振りかぶる(写真5)。このとき、左手と左足はつけたままです。次に、右手と右足を落として“ドン”というイメージ(写真6)。続いて、両手両足を振りかぶり(写真7)、両手両足を落として“パン”というイメージ(写真8)。この動きを繰り返すと“ドン・パン・ドン・パン”というベーシックなリズムが完成します!
ちょっとややこしくなりましたが、結果としては“右(半身)→全部(両手両足)→右→全部”という動きの繰り返しです。最初は“ミギ!・ゼンブ!・ミギ!・ゼンブ!”と号令をかけながら叩くとわかると思います。
続いて、上記のリズムを3つのステップでさらに発展させてみましょう。まずは、“ドン・パン・ドン・パン”と口ドラムを歌いながら叩いてみましょう。慣れてきたら、“ワン・ツー・スリー・フォー”とカウントを言いながら叩いてみます。そしてラストに、簡単な4拍子の曲(オススメは童謡の「どんぐりコロコロ」)を歌いながらリズムを繰り返す。これらの練習は効果抜群ですので、ぜひ試してみてください。
Q.2 ドラマーが手をクロスさせて叩いてる姿をよく見るけど、何でクロスするの?
A.2 ロック・ポップス系の曲でリズム・パターンを叩くときは、(写真9)のようなフォームを使います。これをドラマーの目線から見ると(写真10)のようになっていて、右手ではハイハット・シンバルを、左手ではスネア・ドラムを叩くことになります。
この雰囲気を手足だけで表現すると(写真11)や、(写真12)という感じになりますね。ごくまれに、この構えをすると左手が上になってしまう人がいるのですが、これはNG。実際には右手が上で交差させます。
Q.3 スティックを使ったエア・ドラムは効果的?
A.3 スティックを使った“エア・ドラム”トレーニングも一定の効果はあります。上の写真のようなイメージですね。ただし、スティックを実際に使うとビキナーは必要以上にガッチリと握ってしまい、その練習が逆効果になることもあるので要注意。目に見えない楽器でガツガツと止めるような動きが身体に染みこんでしまうと、実際のドラムでも力ずくでスティックを止めたり上げたりするクセがついてしまいます。手のひらの中でスティックを軽く包み込み、あくまで“エア・ドラム”というリラックスした気分で取り組めるといいですね。