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【REST IN PEACE】ブリティッシュ・ハード・ロック黄金期を支えた個性派、リー・カースレイク(Lee Kerslake)急逝

  • Photo:Fin Costello/Getty Images

ユーライア・ヒープ、オジー・オズボーンらのドラマーとして活躍したリー・カースレイク(Lee Kerslake)が去る9月19日に急逝。ブリティッシュ・ハード・ロックの黄金期を支えたドラマーがまた1人旅立ってしまった。

リー・カースレイクはイギリス・ボーンマスのウィントン出身。67年にサイケデリック・ロック・バンド、ザ・ゴッズに加入し、68年に『ジェネシス』をリリースし、プロとしてのキャリアを本格スタート。そして71年にユーライア・ヒープに四代目ドラマーとして参加。バンドの黄金期を支え、その名を世界に轟かせた。

その当時のことについて本人は、

当時参加していたバンドのライヴ・パフォーマンスを、プロデューサーのゲリー・ブロンとスティーヴ・バーネットに観てもらったんだ。そうしたら「ユーライア・ヒープというバンドがあって、君にはそこでプレイしてほしい」という話をもらって、71年の11月23日に(ユーライア・ヒープに)加入したんだ。(中略)……72年にリリースした4thアルバムの『Demons and Wizards』は、僕らにとっても自信作だった。中でも「The Spell」のレコーディングはよく覚えていて、ゲリーからは「君は最高のドラマーになるだろう」と言われたよ。当時のヒットは、とにかく魔法みたいだった……他の言葉では言い表せないよ。(『Rhythm 2014 Summer』より引用)

と語っている。

リーがユーライア・ヒープに加入した最初のアルバム『Demons and Wizards』はアメリカでも大ヒットを記録。

79年に脱退後は、ソロ活動をスタートさせたオジー・オズボーンのブリザード・オブ・オズに参加。『ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説』、『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』で豪快なプレイを繰り広げ、オジーの音世界をサポート。81年にオジー・バンドを脱退し、再びユーライア・ヒープに復帰。以降、不動のメンバーとしてその活動を支えてきた。

2000年代に入ってからは怪我や病気に悩まされ、ユーライア・ヒープからも2007年に脱退。長期のツアー活動は難しくなったものの、演奏活動は続け、2014年にはBKB(Berggren Kerslake Band)としてアルバム『The Sun Has Gone Hazy』をリリース。

晩年は癌に侵され、闘病生活の中、9月19日にこの世を去った。享年73歳。ユーライア・ヒープのメンバーやオジー・オズボーンもSNSで追悼のメッセージを綴っている。

心よりご冥福をお祈りいたします。