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メガデスが、現在敢行中のフェアウェル・ワールドツアーの一環として、2027年2月に“最後のジャパン・ツアー”を開催することが決定。2月22日にグランキューブ大阪、2月24日に日本武道館で行われる。2026年、最後のスタジオ・アルバムとなるセルフ・タイトル作『Megadeth』を発表し、その歴史に幕を下ろすことを表明している彼らが、再び日本のステージに立つ。
これまでガル・サミュエルソン、ニック・メンツァ、ジミー・デグラッソ、ショーン・ドローヴァーなど、数々の実力派ドラマーがメガデスのサウンドを支えてきたが、現在その重責を担っているのが、ベルギー出身のダーク・ヴェルビューレン。スウェーデンのメタル・バンド、ソイルワークのドラマーとして脚光を浴び、2016年にメガデスへ加入。パワーとスピード、そしてマシンのような精度を備えたソリッドなドラミングで、10年に渡ってバンドを鼓舞し続けてきた。最新作『Megadeth』ではそのプレイはもちろん、ナチュラルで生々しいドラム・サウンドを追求するなど、音作りにもこだわりを発揮している。
そんなダークのドラミング・スタイルは、どのように形作られてきたのか。ここではソイルワーク時代の2010年8月号のインタビューで本人が語った言葉から、そのルーツ、テクニックを磨き上げた練習法、そしてプレイの根底にあるドラミング哲学をあらためて紐解いてみたい。
スラッシュ・メタルからヒップホップまで
ダークを形作った幅広い音楽的ルーツ
幼い頃からさまざまな楽器に親しんでいたダーク。リズムに強く惹かれるようになったのは14歳頃で、木製の定規で段ボールを叩いていたという。それを見た両親がドラム・セットを買い与え、本格的にドラムをプレイするようになったそうだ。
ドラムを始めた当時、よく聴いていたという音楽は80年代のスラッシュ・メタル。メタリカ、スレイヤー、スイサイダル・テンデンシーズなどを愛聴していたそうで、影響を受けたドラマーとして、スレイヤーのデイヴ・ロンバード、ナパーム・デスのミック・ハリスの名前を挙げている。さらにレッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス、そして打ち込みで構築されたビースティ・ボーイズやRun-D.M.C.のビートもよく練習していたと振り返っている。
スラッシュ・メタルのスピーディで攻撃的なドラミングと、ファンクやヒップホップのグルーヴ。その双方を早くから吸収していたことは、現在のダークのプレイにも通じるポイントと言えるだろう。
速さと正確さだけではない
音楽的なメタル・ドラミング
パワーとスピード、そして正確無比なプレイを誇るダーク。その超絶ドラミングを支えているのは、地道なトレーニングの積み重ね。インタビューでは普段の練習について、ルーディメンツやパラディドルといったスネア・ドラムのエクササイズを日常的に行っていると説明。そこで大切にしているのは、単純にスピードを上げることではなく、速いテンポでも無理なくプレイできるバランスという。
また、ダークのプレイを語る上で欠かせないテクニックが、手足のコーディネーション。かつてブラスト・ビートを身につける際にも、手と足を正確にシンクロさせるためのエクササイズに取り組み、動きの精度を高めていったと語る。一方で、そうした正確さを追求しながらも、単に機械的なプレイを目指しているわけではなく、ブラスト・ビートについても、右手にアクセントを加えることでグルーヴを生み出し、より面白いビートにすることを意識しているそうだ。
磨き上げたスピードと正確性を土台としながら、そこに音楽的なニュアンスを加えていく。その姿勢は、複雑なリフや目まぐるしい展開に高い精度で対応する、現在のメガデスでのドラミングにもつながっていると言える。そして、アグレッシヴなプレイを安定して続けるために取り入れているのが、トレードマークでもあるドラム・グローヴ。ダークはドラムを始めた頃からグローヴを着用しており、手を保護しながらスティックを安定してコントロールするための、欠かせないアイテムになっているという。
ドラムと会話する……
超絶スタイルの根底にある哲学
磨き上げた超絶技巧を駆使するダークだが、実際にドラムをプレイする際には、むしろ“考えすぎないこと”を大切にしていると語る。何かをやろうと意識し、頑張れば頑張るほど、かえって自分のプレイがうまくいかなくなる。それよりも流れに身を任せ、音楽からインスパイアされているときには、ドラムのサウンドに導かれるようにアイディアやグルーヴが浮かんでくるという。
そして彼自身が大きなインスピレーション源として挙げているのが、“ドラムそのもの”。ドラムのサウンドが好きで、演奏しているときの感覚も好きだからこそ、自分がプレイしている楽器と“会話”しようとする。そうしているうちに、自分がドラムを鳴らすだけではなく、逆にドラムからさまざまなアイディアを引き出してもらえるようになる。
地道な練習によって身につけた高度なテクニックを持ちながら、実際の演奏ではそれに縛られず、音楽と楽器から生まれるインスピレーションに身を任せる。ルーツにある幅広い音楽性、地道な練習を積み重ねて磨きをかけたスキル、そして“ドラムと会話する”という感覚。そのすべてが結びついて、現在のダーク・ヴェルビューレンのドラミングを形作っている。
フェアウェル・ワールドツアーをもって、その長い歴史に幕を下ろすメガデス。最後のジャパン・ツアーでは、バンドの楽曲と共に、長年ボトムを支えてきたダークのドラミングにもあらためて注目したい。

◉公演情報
【大阪】
2027年2月22日(月)グランキューブ大阪
18:00開場/19:00開演
【東京】
2027年2月24日(水)日本武道館
18:00開場/19:00開演
↓詳細はこちら↓
https://www.udo.jp/shows/Megadeth27