GEAR
UP
博士 山本拓矢が試した【2023年10月号】のNEW PRODUCTS!〜ZILDJIAN K Paper Thin Crash〜
- Review:Takuya Yamamoto[bohemianvoodoo]
- Photo:Takashi Yashima
満を持して現代に復活!!
Kジルジャンより
待望のペーパー・シン・モデルが登場
1950年代にジルジャンが生み出した、シンバルの中でも最も薄い“ペーパー・シン”ウェイト。ジャズ・ドラマーを中心に人気を博した本モデルが、この度Kシリーズに、現代のニーズに応えた仕様となり復活。口径は18″~22″の5サイズがラインナップされる。
緩やかなプロファイル(シンバルを横から見た時の形状)によって、クラッシュ時の煌めきに加え、サイズ感による力強さや、爆発的で減衰の早いダークなサウンドでありながら、他のウェイトにはないロー・エンドの響きも同居。さらに3段階のハンマリングが抜群のレスポンスを生み、より繊細な音楽表現が可能となっているという。
またKシリーズの中では最軽量ということで、薄さ由来のしなやかさにより、柔らかく沈むようなスティックの感触も味わえるとのこと。
●試奏ラインナップ
Review
均質さや安定感は申し分なし
口径通りの自然な音程差も好印象
ペーパー・シンの名に相応しく、期待通りにしっかりと薄く仕上がっています。近年のジルジャンではなかなか見かけなかった水準であり、これを待ち望んでいた方も少なくないでしょう。今回は、18″/19″/20″の3枚を試しました。ラインナップとしては、21″と22″もあるそうで、近年のトレンドを汲んだサイズ・バリエーションになっています。
どの個体も、クラッシュとしての均質さや安定感は申し分なく、口径通りの自然な音程差になっていた点が好印象です。クラッシュの枠に捉われず、1枚のシンバルとして見た場合は、ボディ感がある19″に対し、ウォッシーでたわみ感の強い20″といった具合いで、それなりに個性が感じられます。
工業製品として捉えた場合、個体差という表現はネガティヴな響きが伴うかもしれませんが、シンバルは楽器ですから、ピッチの差やトーンの傾向に幅がある方が、かえって好都合だというジャンルやシーンもあります。そういった意味では、理想的な品質管理の形の1つが実現できているように思います。薄すぎてペアリングに困っていたシンバル達の活躍の幅が広がりそうなので、あえて選別せず、出会いに任せて導入するのも楽しそうです。
GEAR SPEC
ZILDJIAN K Paper Thin Crash
18″ ¥59,950
19″ ¥62,700
20″ ¥68,750
21″ ¥73,150
22″ ¥81,950
製品ページ:HP
お問い合わせ:ヤマハミュージックジャパンお客様コミュニケーションセンター
ギター・ドラムご相談窓口(☎0570-056-808)