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最終回|博士が購入した逸品=SABIAN BIG and UGLY Collection【連載|博士 山本拓矢がデジマートで見つけた今月の逸品 ♯42】
- Text:Takuya Yamamoto
第42回:SABIAN BIG and UGLY Collection【最終回】
ドラム博士=山本拓矢が、定番商品や埋もれた名器/名品など、今あらためて注目すべき楽器たちを、楽器ECサイトであるデジマート(https://www.digimart.net/)で見つけ、独断と偏見を交えて紹介する連載コラム。4年以上に渡ってお届けしてきた本連載もついに最終回。今回は博士が実際にデジマートで購入した逸品を紹介します!
いつもお読みいただき、ありがとうございます! 突然ですが、今回をもちまして、当連載は終了、最終回でございます。2021年の12月に開始してから約4年半、大変お世話になりました。
本企画は『誌面でレビューを行なっていた新製品に限らず、定番商品や埋もれた名器/名品など、今あらためて注目すべき楽器たちを、デジマートで見つけ、私の独断と偏見を交えつつ紹介する』というコンセプトでスタートしましたが、島村楽器ドラムショーにてスピンオフ企画(こちら)を行うなど、たくさんの楽器を紹介することができました。
振り返ってみると、初回から10機種に言及するなどしており、ピックアップしてきた総数は数えきれないほどです。『デジマートで見つけた』というコンセプトもあり、ターゲットを発見して原稿を書き上げたものの、掲載前に売り切れたり、廃番になったりするなど、紹介のチャンスに恵まれなかった楽器はまだまだ残っています。そこで、今回は、実際に私がデジマートで購入したことがある楽器をモデルとして、デジマートで探して、購入を決めたポイントなどを交えながら、紹介してまいります。
今月の逸品 【SABIAN BIG and UGLY Collection】

BIG and UGLYは、2015年に登場した、個性的なシンバル群です。当連載の第22回、ドライ系シンバルでも触れているので、読者の皆様には、見覚えがある方もいらっしゃるかもしれませんね(こちら)。HH、HHX、AA、XS20の4つのシリーズを跨いで、KING、NOVA、PANDORA、PHOENIX、MONARCHと名づけられた6モデル、サイズ・バリエーションを含めると、全10枚からスタートしました。
その後、ハイハットなどがファミリーに加わり、ラインナップが拡充されます。特に変わった経緯をもつモデルとして、18” AA SICK HATSの存在は欠かせません。2014年のCymbal Voteで初めて登場したと記憶していますが、2016年ごろにファミリー入りして復活しました。
個人的に、このシリーズを数枚所有しており、NOVAの22”とKINGの22”は、デジマートで見つけて購入したものです。


BIG and UGLYは、AA APOLLOのような人気が高いモデルを除くと、流通量はごく限られており、試すことすら難しい部類に入ります。強い個性がありつつ、実用性も備わっており、素晴らしい楽器だとは思いますが、万人ウケするタイプではなく、どちらかといえばニッチな製品だったようです。
個人製作や、ブティック系と呼ばれるような楽器はご存じでしょうか。代表的なものではSpizzichino Cymbalを筆頭に、日本でもARTCYMBALやemjmodといったブランドが存在します。SABIANは紛れもなく大手のメーカーですが、オーストラリアの個人製作者向けにブランク・シンバルを融通した実績もあり、そのような市場に対するアンサーとして投入された品といっていいかもしれません。
そんなBIG and UGLYですが、デジマートをチェックしていると、時折、好事家の放出品や注文のキャンセル品、チャレンジングな仕入れの品と思しき個体が流れてくるので、これぞというモデルが割安に登場した場合は、速やかに確保するようにしています。全国に散らばったレアな楽器をまとめて探せるのは、ありがたいですね。
楽器の詳しいレビューをしたいところですが、私のNOVAは、クラッシュ時のピッチ感が製品の規定の上限付近にありそうなほど高く、KINGの方も、様々な試奏動画を見比べてみても、かなりウェイトがありそうで、個性が特に強い個体のような印象があるため、今回は言及を控えます。
Zildjianを経て、現在はIstanbul Agopの契約アーティストである、Mark Guilianaによる素晴らしいデモ演奏が公開されているので、気になった方はそちらもチェックしてみてください。
最後に……
さて、そろそろお別れの時間です。これまで記事をお読みいただいた方、記事を読んで楽器を購入してくださった方、再確認のために楽器を試奏させてくださった楽器店や、メーカー、代理店の皆様、そして歴代の編集担当の皆様、どうもありがとうございました。
しんみりした雰囲気を出していますが、実は、新たなコンセプトの連載が決定しております。また近々、お目にかかる機会があると存じますので、引き続きよろしくお願いいたします。

Profile
ヤマモトタクヤ●1987年生まれ。12歳でドラムに出会い、高校時代よりプレイヤーとして音楽活動を開始。卒業と同時に入学したヤマハ音楽院にて、さまざまなジャンルに触れ、演奏活動の中心をジャズとクラブ・ミュージックに据え、2013年、bohemianvoodooに加入。 音楽と楽器の知識・スキルを生かして、ドラム・チューナーとしてレコーディングをサポートしたり、インタビュー記事や論説などの執筆業を行うなど、音楽全般への貢献を使命として活動中。
公式X:https://x.com/takuya_yamamoto
【Back Number】


『That Great GRETSCH DRUMS』
