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4月11日からスタートしたB’zのアリーナ・ツアー“B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-”で、ドラムを務めているシェーン・ガラス。本記事では2025年にサポート復帰を果たし、再びステージに立つ彼の歩みを振り返る。
確かなテクニックと豊かな音楽性で
B’zのサウンドに大きく貢献したシェーン
歴代サポート・ドラマーの中でも特に長くB’zを支えてきたシェーンは、1967年生まれのカナダ出身。LAの音楽学校PITで学び、グレン・ヒューズ、イングヴェイ・マルムスティーン、マイケル・シェンカー、ウリ・ジョン・ロートらと共演してきた。
B’zのライヴには、阿部 薫、田中一光、デニー・フォンハイザー、黒瀬蛙一に続く5人目のサポート・ドラマーとして2002年から参加。さらに翌年リリースのアルバム『BIG MACHINE』からは、レコーディングにも加わるようになった。当時のことを、シェーンは本誌2003年8月号のインタビューでこう振り返っている。
「知り合いの日本人スタッフに勧められてオーディションを受けたんだよ。そもそも僕は日本っていう国も、日本のオーディエンスも好きだったからね。B’zって、ものすごく多くのスタイルの曲を演奏するだろう? アメリカン・ロックみたいな曲があったりバラードがあったり、ビッグ・バンドみたいな曲があったり、ループ・サウンドを使ったミクスチャー系があったり……そういうところにも魅かれたんだ」
PIT仕込みの確かなテクニックと豊かな音楽性で、B’zの多彩なサウンドに大きく貢献したシェーン。だが、彼がB’zとの共演から得たものは、単なる演奏経験に留まらなかったようだ。
「B’zと出会ったことで、自分にもっと自信が持てるようになった。テクニカルなことばかり前面に出すのではなく、本当に心からプレイするようになったんだ。ちょっとくらいミスがあったって大丈夫。そういったことよりも全体のサウンドの方がずっと大事なんだって、B’zでプレイしているうちにそう感じるようになっていったんだ」(2010年5月号)

明るい人柄や、演奏中に浮かべる笑顔もまた、シェーンが愛されてきた理由の1つだ。B’zが放つポジティヴなエネルギーを、ステージ上でさらに増幅する存在でもあった。
「ドラムを叩くって本当に楽しいことなんだよ。それに人生ってのも楽しいものだ。だからその延長線として、自分が感じていることが笑顔として出てるんだと思う。みんなの前でプロとしてドラムを叩けることは本当に光栄だし、それが普通のことだとは思わないから、自分の喜びを見ている人たちと共有したいんだよ」(2009年10月号)
だからこそ、2019年にサポート・メンバーからの卒業が発表された際には、多くのファンから惜しむ声が上がった。シェーン自身もSNSで「彼らがどんなことをしていこうとも、これから先ずっとサポートして行こうと思います」とコメントし、約17年に及んだ関係は、いったん区切りを迎えることとなった。
サポート復帰に合わせて一新されたドラム
その後、2019年のツアーでは、B’zとTMG(Tak Matsumoto Group)のレコーディングにも参加経験のあるブライアン・ティッシーがサポート・ドラマーを担当。2020年に行われた無観客配信ライヴには、初期サポート・メンバーの田中一光と黒瀬蛙一が久々に参加。さらにコロナ禍以降のツアーでは青山英樹、2021年のコンセプト・ライヴ“B’z presents LIVE FRIENDS”では河村“カースケ”智康がそれぞれドラムを務めてきた。
それでも、B’zとシェーンの絆が途切れたわけではなかった。2024年には稲葉浩志のソロ・ツアーに参加。来日中に実現した2024年10月号の対面インタビューでは、ツアー参加のオファーを受けたときのことを次のように振り返っている。
「それはもう興奮したね。Koshi(稲葉浩志)のことを愛しているし、関わってくれるスタッフのことも大好きだから、とてもうれしかったよ」(2024年10月号)
約6年ぶりに共にステージに立った稲葉はMCで「とても自然な間柄」と語り、何よりファンから熱烈に歓迎されたシェーン。同年末のNHK紅白歌合戦でB’zと共演を果たし、そして2025年の“B’z presents UNITE #02”で、B’zのサポート・ドラマーとしてステージに戻ってきた。

その復帰を機に、ドラム・セットも一新。現在のツアーでも使用されているのが、ミラー・クローム・フィニッシュのPearl Masters Maple Gumにジルジャン・シンバルを組み合わせたツーバス・キットだ。PearlのSNSでも、その華やかな仕様が確認できる。
また、ツアーの開催に伴い、4月8日には最新アルバム『FYOP』に新曲「Heaven Knows」とドーム・ツアーのライヴ音源6曲を加えた【FYOP+盤】をリリース。ライヴ音源では、シェーンのダイナミックなロック・ドラムをあらためて堪能することができる。さらにアルバムのレコーディングには、シェーンの他に、玉田豊夢、山木秀夫、マット・ソーラムも参加。ドラマーの視点から聴いても見逃せない作品と言えそうだ。
◉アリーナ・ツアーの情報⇨こちら
◉【FYOP+盤】の情報⇨こちら
シェーン・ガラスのインタビュー全文はサブスクで

これまでに本誌で行ってきたシェーンのインタビューは10回以上! B’zとの出会いやプレイに対する意識の変化、さらにソロ・アルバムに関する話や、自身の哲学などを詳しく語っている。その他、ライヴ・レポートやクリニック・レポートも含めた、膨大なアーカイヴをサブスクで確認してほしい!