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    【ジェフ・ポーカロ生誕記念】なぜジェフのグルーヴは特別なのか? 唯一の教則作品から読み解く5つの最重要項目!

    • Text:Michiaki Suganuma
    • Photo:Jyoji Ide

    ドラマーなら誰もが憧れるが、決して真似できないジェフ・ポーカロのサウンド&グルーヴ。その理由はどこにあるのか? その核心に迫っているのが、ジェフが残してくれた唯一のドラム教則映像作品『Jeff Porcaro』だ。ドラマガ2005年5月号のジェフ特集で、本作の見どころを詳細分析した伝説の記事を公開。ジェフ流ドラミングの正体とは?

    至極のグルーヴを支える”テクニック”

    1. 椅子の高さ、フォーム

    ジェフの椅子は低めで、太ももがほぼ水平になるような感じで、重心がどっしりと安定している。プレイ中に上体はまったくブレず、非常にリラックスした叩きっぷりである。ときどき軽くダンスしているかのように上体を揺らし、グルーヴを全身で表現している様子がわかる。スネア、タム、ハイハットは腕が自然に振り下ろせる適度な高さにセットされているが、クラッシュなどのシンバル類は高め。しかし合理的なストロークで無理なく叩き分けている。

    2. グリップ

    彼のグリップはいわゆるアメリカン・グリップで、ジャーマンよりもややティンパニ寄り。彼自身も説明しているが、支点は親指と、人差し指の第一関節で支え、親指と人差し指の間にやや空間が空いている感じである。手のひらと指の間には適度な遊びがあり、しっかり握っているという感じではない。この遊びはストロークのときに一定に保たれている。ハイハットを速く刻むときでも指はまったく使わず、すべて手首でコントロールしている。このグリップは叩く楽器によってほとんど変化せず、全体に均一なストロークがキープされている。

    3. サウンド&チューニング

    ドラム・サウンドは中低域が多く含まれた太いロック的な音で、タムはクリア・ヘッドが張ってあるが、ややダークなサウンドに彼のチューニングの特徴が表われている。アタックとレゾナンスのバランスが絶妙である(音が膨らみすぎず、程良くコントロールされている)。スネアはヘッドの端にガムテープを丸めてちょこんと貼ってあり、余分な残響をカットしている。シンバル類は口径が大きめで、パイステらしいクリアなアタックとふくよかな広がりが共存している。バス・ドラムは速いストロークでも低音がしっかり鳴っているのが素晴らしい。

    4. タッチ&ダイナミクス

    各楽器の音量バランスが完璧にコントロールされているというのがまず第一印象で、打点のバラつきがほとんどないのも驚き。特にスネアは正確に中心をヒットしており、そこだけ丸く小さい痕がついているのがわかる。スネアは、バック・ビートだけを叩くときはヒットした後、打面に軽く乗せるようにして止めている。決して押しつけるような感じではなく、左手の力は抜けているように見える。ダイナミクスのコントロールも絶妙で、音量を手首の使い方の大きさでコントロールしている感じで、ここぞというアクセントは腕全体を使っている。

    5. フット・ワーク

    ジェフの右足の動きの特徴はスライド奏法で、かなり速い16分の連打も軽々と踏めることを実演している。カカトの高さはほぼ一定で、水平に前の方に滑らしている印象である。彼はトゥ・ボールを意識していると語っているが、足の親指のつけ根で前の方にしごいていく感じだろうか。足の親指にも力を入れていると言っている。このスライドの動きはそれほど速くないダブルのときにもごく小さい形で用いている。バス・ドラムは基本的にクローズ(ビーターをヘッドにつける奏法)で踏んでいる。

    *本記事は2005年5月号の記事を抜粋した内容となります

    ここまで解説した5項目だけでもジェフの凄さは見えてくるが、グルーヴの核心はまだこの先にあります。特徴とも言えるハイハット・ワーク、ゴースト・ノート、さらにリズム、フィルに至るまで、譜面を駆使して”真似できない”グルーヴを検証。また、本特集では貴重な写真からそのドラミングの本質を掘り下げるコンテンツや生前のジェフと親交のあった沼澤 尚氏による証言なども収録している。

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