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    【Interview】シェーン・ガラス 4年ぶり!来日インタビュー

    • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine
    • Photo:Akito Takegawa(PEARL)

    人生において人は心地良いから同じ場所にとどまる
    でも時々はチャンスを得るために、違う道に進んで
    完全に新しいことへ挑戦しないと成長するのは難しい

    ●B’zのサポートを終えて、2019年Instagramに投稿したB’zとファンの人達に向けた愛の溢れるメッセージは感動的でした。

    SG やっぱり最初はサポートから離れて、すごく悲しかったよ。でも、僕はとても長くバンドにいたから、B’zが常に新しいことに挑戦していきたいという気持ちは、とてもよく理解できるんだ。人生において、人は心地良いから同じ場所にとどまることができる。でも時々はチャンスを得るために、違う道に進んで、完全に新しいことに挑戦しないと成長するのは難しい。そう思ったときに、状況を受け入れて、それはB’zにとって正しい道だとわかったんだ。
    例えば子供が成長するときにいろんなことを経験したり、“ガンバロウ”とその道に進むけど、そのときのB’zは、新しいことを学んで成長したり、ひょっとしたら、もっと多くの観客にライヴを届けようという気持ちだったのかもしれない。結局のところ、B’zにとってサポート・メンバーのチェンジは、素晴らしいことだと思ったんだ。そのときのことは僕にとって、辛かったのではと思うかもしれないけど、彼らはそうするべきだったし、B’zの成長のために重要だったはずだから、彼らの決断を今はうれしく思うよ。
    今でもB’zの2人とは、とても良い友達だし、いつでも彼らをサポートできる。B’zは、長い間すごく特別なバンドで、たくさんの人に影響を与えたし、これからも新しいリスナーに影響を与え続けていくと思う。Koshi(稲葉浩志)の歌詞は特別で、それが人々の心の支えになっているのも知っているから、もっともっと広がってほしいね。彼らがそうあり続けてくれるのは、とてもうれしいことだよ。
    かつての音楽シーンは、1つのバンドが1つの音楽スタイルをとっていれば良かったけど、最近の音楽は、液体に水が注がれるように“希釈(編註:媒体の量を増加させて濃度を薄めること)”されているように感じるんだ。そんな難しい状況の中、B’zは今でもB’zであり続けていて、日本をはじめ、世界のオーディエンスに対して、すごく強い力を持っていると思う。

    ●あなたの現在の活動を教えてください。

    SG アメリカに戻ってから、自分のスタジオをちゃんと作って、レコーディングに集中したよ。ちょうど世の中がコロナ禍になったから、たくさんの音楽プロデューサーやミュージシャンの友達にコンタクトして、自分のスタジオでいろいろなレコーディングをやったのが、このパンデミックの中での、メインの活動になるのかな。それに加えて、Slashや、Special EFX、Nickelbackのドラマーの代役もやったよ。だいたいが、そのドラマーに健康的な問題があって「明日ライヴなんだけど、代わりに演奏できる?」みたいな感じだったかな(笑)。短期間で、いろんなジャンルの音楽を理解して演奏することは、とても面白かったね。Special EFXは、かつてDave Wecklも共演した、すごくテクニカルなフュージョン・スタイルのバンドで、ライヴ中も譜面を見ながら演奏しないといけなかったけど、素晴らしいジャズ・ミュージシャンのEric Marienthalとの共演はすごく楽しかったよ。

    ●Cosmosquad、Diesel Machine、Toqueといった、ご自身が在籍するバンドの活動はどうですか?

    SG Toqueが今、一番活発に動いていて、コロナ禍以降では自分にとってメインのバンドになるかな。今年の夏はたくさんのライヴをやったし、11月には新しいシングルもリリースするよ。

    ●今、注目しているドラマーはいますか? YouTubeはよく観ますか?

    SG 僕はそれほどYouTubeフリークではないけど、いつも新しいドラマーを探してるね。ほとんどのドラマーは、自分よりもかなり若いけど、今注目されているたくさんのドラマー達から刺激を受けて学んでいる。例えば、お気に入りの1人はJD Beckで、そのプレイには圧倒されたよ。ドラミングのレベルが非常に高いのはMatt Garstkaで、いろんなスタイルにも対応できて、素晴らしいね。Devon “Stixx” Taylorもかなり好きだね。他には、Larnell Lewis、Aric Improta、Andy Prado、David Cola、Moritz Mueller、あとは、Dave Elitch。彼からは多くを学んだよ。それから、Sepulturaのブラジル人ドラマー、Eloy Casagrandeは、いろんなスタイルの音楽をプレイするけど、お気に入りのメタル・ドラマーだね。他にも、まだたくさんいるけど、このインタビューではもう十分かな(笑)。

    ●ありがとうございます(笑)。あなたはInstagramやYouTubeで、たくさんの演奏動画を投稿していますが、今の時代のSNSの使い方についての考えを教えてください。

    SG そうだね、ここ最近、特にこのパンデミックの時代で、SNSは発信する手段として、やらなくてはならないものの1つだと思う。僕の場合、最初にカメラを用意して、撮影して、Final Cut Proで編集するといった、YouTube向けの動画を作ることから始めたんだけど、それは我々ミュージシャンにとって、別の形での作品作りだったんだ。SNSでやることは、単に記録を残す、ということだけでなくて、SNSでの自分のブランディングを行うことだと考えられるね。特に若いドラマー達にとっては、自分がやっていることや、自分のクリエイティヴな感性を発信するために動画を作るということが、とても良い時代になっていると思うよ。

    シェーン公式YouTubeで公開されているパフォーマンス動画

    ●動画の撮影のために新しいカメラを買いましたか?

    SG うん、ほとんどはGoProだけど、今はスマートフォンでもすごく良い動画が撮れるよね。動画の編集は全部自分自身でやっているよ。でも、YouTubeでたくさんの“ハウツー・ビデオ”があって「あーなるほど」と勉強できるから(笑)、そんなに難しいことではないね。今は、日本のドラマー達にとっても、自分のことを世界に発信できる良い時代だと思う。以前よりも、かなり多くの素晴らしい日本人ドラマー達をSNSで見かけるようになったね。

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