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【Archive Interview】セット図Tシャツ発売記念!〜長谷川浩二と楽器〜 Vol.02

  • Photo:Tetsuro Sato Interview & Text:Seiji Murata(無人島スネア)

長谷川の楽器観に迫る
2つのインタビューを特別公開!

長年サポートを務めたTHE ALFEEをはじめ、筋肉少女帯やT.M.Revolution、田村直美など、名だたるアーティストのバックを支える長谷川浩二の“セット図Tシャツ”がリリース! それを記念して、長谷川の楽器観に迫る2つのインタビューを公開。Vol.02は“無人島に持っていきたいほど好きなスネア”をテーマに3台のスネアを紹介してもらう連載「無人島スネア」の一部を転載。

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鳴りすぎるスネアを
ねじ伏せるのが好き
(2015年6月号“無人島スネア”より)

ベルブラスは、発売当初からずっと長い間メインで使ってきたスネアで、なにしろパワーがあるし太いんですよ。でも、太いだけだと音がモグっちゃって、そういう音が合う曲ならいいんですけど、基本、当時からロックな現場が多かったんで、やっぱりギター、ベースのものすごいディストーションに埋もれないためには、太いけど立つスネアじゃないとダメ。それにはこのベルブラスみたいに、スネア自体にパワーがないとダメなんですよ。ただT.M.ちゃん(T.M.Revolution)のライヴでは、今日の3台だと逆に強過ぎちゃうんで、5.5″のステンレス・スティールがメインという時代も結構長かったんですね。サウンドが軽快なんだけど、パワーを入れればちゃんと太さも出て、そういう意味でもステンレスは使い勝手が良かったんですよ。

TAMA 90s Bellbrass 14″×6.5″

(ライヴの本数が多くて、アーティストの幅も広いと、いろんな意味で“使い勝手”が重要ですよね)──それぞれのアーティストさんは、基本となる“色”がありつつ、バラードからメタルまで幅広い方が多いので、それに対応するには、ある程度、スネアの音色に幅がないとダメですよね。もちろん僕もドラマーとしてこれだけやってきたので、叩き方でいろいろ変えることはできますけどね。例えばダンサブルな16ビートっぽい曲なら、思いっきり端っこ叩いてリムまでかけて“カァーン!”っていわせたり、バラードだったらリムかけないでチップだけで“ドスッ”て言わせたりね。

TAMA Lars Ulrich Signature 14″×6.5″

(一方、TAGAWAの新作『Flying carpet』や筋肉少女帯『THE SHOW MUST GO ON』での、芯のあるボトムの深いスネア・サウンドはラーズ・モデル?)──そうですね、ラーズ1本です。このモデルはものすごく太いんだけどツブ立ちが良いんですよ。そこが大事! もちろんツブ立ちが良くなるように叩くし、そうチューニングもしますけど、やっぱり楽器が持ってるポテンシャルってあるじゃないですか。僕は“鳴り過ぎるスネア”が好きなんですよ。“倍音が出過ぎる”とか“ちょっとうるさい”とか言われるくらいのポテンシャルを持つスネアを、ねじ伏せるのが好きなんです(笑)。ないものを求めて一生懸命叩いても、その音は出ないですけど、鳴り過ぎるものはミュートすればいいし、叩きながら倍音の少ないポイントをねらえばいい。逆に、端っこを叩いて“カァーン!”って言わせたいときは、倍音はもうバカみたいに出てほしいんですよね。で、今日の3台は、そういうポテンシャルがものすごく高いスネアなんです。

KITANO K-TI SD 1465-3T 14″×6.5″

ラーズ・モデルは、上から下までしっかり出てくれて、なおかつツブ立ちが良くて、ベルブラスになるともっとロー成分が増えてくるイメージがありますね。で、KITANOはもう別ものです(笑)。ポテンシャルが高過ぎて他と比べられないというか、ただ“すごい”(笑)。天気で言えば“全天候型”というか、見た日で硬いイメージがあるかもしれないですけど、バラードでも全然平気だし、太さも出るし、マイク乗りもものすごく良いし、で、やっぱりどんなにヘヴィなメタルでもこのスネアだけは絶対に埋もれないんです。

セット図Tシャツ発売記念!〜長谷川浩二と楽器〜 Vol.01

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