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the GazettEが活動20周年の感謝を届けたアニバーサリー公演「20th ANNIVERSARY -HERESY-」【Report】

  • Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Keiko Tanabe、Yoshihiro Mori

さまざまな場面で楽曲をリード
ダイナミックな動作で
会場に一体感をもたらす戒のドラミング

今年、結成20周年を迎えたヴィジュアル・ロックバンドthe GazettEが、去る3月10日、東京・国立代々木競技場 第一体育館にてアニバーサリー公演「20th ANNIVERSARY -HERESY-」を開催。長年続く活動の節目となるライヴの模様をお届けしよう。

コロナ禍という情勢もあり、アリーナ・クラスの会場では約3年ぶりの開催となった有観客ライヴ。20周年を祝いに訪れたファンが待つ中、場内が暗転し、豪華な照明演出と共にメンバーがステージに登場。歓声代わりの大きな拍手で迎えられた。

記念すべきライヴの1曲目に彼らが選んだのは、アグレッシヴなブラスト・ビートで始まる「UNDYING」。のっけから飛ばしたかと思うと、ヴォーカルのRUKIによる「さあ暴れろ代々木!」という煽りと共に、ライヴ定番曲の「Filth in the beauty」が畳みかけられ、会場はあっという間にヒート・アップしていく。間奏では、楽曲に合わせて自身の頭を時計回りに振り続ける“回転ヘドバン”のノリがあるのだが、それを他のメンバーと同様にこなしながら器用に演奏を続けるドラマーの戒の姿にも、ライヴに一体感をもたらす気概を感じる。

この日、戒が使用していたドラム・セットは、長年愛用しているYamaha Live Customで、2バス、3タム、1フロア・タムという構成に、新たに導入したというマイネル・シンバルを組み合わせた多点セッティング。高く突き上げるように掲げたスティックを一気に振り下ろし、ダイナミックな動作で一打入魂のビートを鳴らす彼は、オーディエンスとも呼応し合うようにして会場全体を鼓舞していく。

さらに「DAWN」を届けてMCに入ると、RUKIが「20周年をお祝いされるんじゃなく、俺らが20年分の感謝を届けたい」と意気込みを語る。それに続く形で、戒がスネア主体の軽快なビートを笑顔で鳴らし、手拍子を誘って「INSIDE BEAST」の演奏に突入。その後もドラム始まりのラインナップが立て続けに披露され、パーカッシヴなドラム・ソロで始まる哀愁ナンバー「ガンジスに紅い薔薇」では、伸びやかな歌声を生かすドラミングはもちろん、REITAのメロディックなベース・ソロを彩る繊細なシンバル・ワークや、麗の華やかなギター・ソロを堅実なビート&タムを絡めたフィルでバックアップするプレイも披露。目まぐるしい楽曲展開でかき回していく「裏切る舌」の冒頭も戒がリードし、戦車のような重厚さで手数足数を繰り出すセクションや、どっしりとしたハーフタイムのアプローチも織り交ぜた緩急のあるドラミングでこの“暴れ曲”を盛り上げた。

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