PLAYER

UP

Report – L’Arc-en-Ciel 結成30周年を祝う有観客ライヴ 30th L’Anniversary Starting Live “L’APPY BIRTHDAY!”(yukihiro)

  • Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Takayuki Okada、Hiroaki Ishikawa、Yuki Kawamoto
▲L’Arc-en-Ciel(L→R)
tetsuya(b)、ken(g)、hyde(vo)、yukihiro(d)

怪物バンドが放つ貫禄のプレイに
“未来”への期待も高まる幕張2days公演

去る5月29〜30日、バンド結成30周年を迎えたロックバンド=L’Arc-en-Cielが、千葉 幕張メッセ国際展示場の1-3ホールにて、アニバーサリーライヴ<30th L’Anniversary Starting Live “L’APPY BIRTHDAY!”>を開催。2日間のうち、編集部は同バンドの1stライヴ記念日でもある、30日の公演へ足を運んだ。数々のヒット曲が目白押しとなった豪華なステージの模様をお届けしよう。

昨年初頭から実施していたツアー<ARENA TOUR MMXX>がコロナ禍の影響で中断となって以来、L’Arc-en-Cielが有観客でライヴを行うのは約1年半ぶり。この公演は感染症対策のガイドラインに沿い、座席の間隔を1席ずつ空けるなど、新型コロナ感染予防策を徹底しての開催となった。ファンが期待を胸に開演を待つ中、定刻を少し過ぎて会場が暗転。バンドの30年の歩みを振り返るように過去のライヴ映像やMVが次々とスクリーンに映し出されると、メンバーがステージに登場した。

まず挨拶代わりに演奏されたのは、ダークな印象のバンドサウンドにhyde(vo)の艶やかなヴォーカルが乗る「X X X」。あっという間に会場を独自の音世界に引き込んだかと思うと、一転してブライトなポップナンバー「Caress of Venus」で全体を盛り上げ、この日最初のMCに入った。観客は声出し禁止となっていることから、hydeが「みんなの声が聞こえないのは残念だけど……」と本音を漏らす場面もありつつ、彼が会場を煽るのに対して、オーディエンスもグッズの鳴り物やペンライトを力いっぱい揺らして応える。

MCが終わるとさっそく次の楽曲へ移り、デジタルなサウンドの中で、yukihiroによるウラ打ちのダンスビートや鮮やかなシンバルワークが光るアッパーチューン「CHASE」をエキサイティングにプレイ。yukihiroがこの日用いたのは、愛器=パールのマスターズプレミアムシリーズMRPのツーバスキットで、13点のシンバルを組み込んだ多点セッティングを縦横無尽に駆け巡り、多彩な音色と共に楽曲を支えていく。

続けて演奏された「winter fall」では、確かな技術に基づいた展開豊かなアプローチを次々に繰り出し、バンドサウンドに華を添える。そのビートは安定感抜群で、歌に寄り添う上でアクセントや音色も巧みにコントロールされているのを感じる。そうして緻密なフレーズをスマートにこなしてしまう姿はクールに映るが、ここぞというポイントでメロディアスなフィルを叩き込み、オーディエンスを一気に盛り上げていくその力強いドラミングからは、堅実さだけでなく熱量も伝わってくる。続く「flower」でも、イントロから会場を巻き込んでいくようなドラムフィルや、要所要所に入るパーカッシヴなアプローチが心地良い。

「開催できて本当に良かった。三十路ということで大人なラルクを見せていこうと思う」と意気込みを語るhydeのMCを挟み、yukihiroが8ビートを刻んでオーディエンスのハンドクラップを誘うと、その流れのまま「metropolis」を演奏。「DAYBREAK’S BELL」では、タム類とバスドラムを絡めた重心の低いリズムパターンがなだれ込むように刻まれ、会場は一気にダークな音世界へと誘い込まれた。そのメロディアスなドラムフレーズは、つい歌に合わせて口ずさみたくなってしまうほど独特でインパクトを放つ。

Next➡︎キラーチューン目白押しのライヴ後半戦!