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Interview – ねぎ[Novelbright]
- Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine
- Photo:Reiko Horiuchi(ライヴ写真)
自分が込めた感情を
フレーズとして具現化できないという
もどかしい思いがあった
●さまざまな活動を経て、5月にリリースされた1stフル・アルバム『WONDERLAND』には、ねぎさん自身も特別な思い入れがあったのでは?
ねぎ 今だから言えることなんですけど、実は『WONDERLAND』の制作では、たくさん悔しい思いをしていて。上京してから初めて作ったアルバムで、いろんな人が関わってくださったこともあって良い作品になったのは間違いないんですけど、ドラムについては、いろいろなことが求められていく中で、ちゃんと具現化できなかった部分があったりとか……そういう意味で、これからもっと頑張らなきゃと思わせられたアルバムなんです。
●そうだったんですね。この作品で特に印象に残っている楽曲は?
ねぎ 「時を刻む詩」ですね。初めにメンバーから上がってきたデモ音源を聴いたとき、叩いたらめちゃめちゃ気持ち良い曲なんだろうなと思って。実際に個人練習で、歌詞もなくてメロディとオケだけが入っている状態でドラムを叩いてみたときに“本当に魂がこもるな、この曲”とあらためて感じて、涙が出たんですよ(笑)。それでいざレコーディングに臨んでみたら、気持ちを込めて叩いたテイクが全然ダメだと言われて……そのテイクを聴き返しても何がダメだったのか自分ではわからなかったんですよ。できることは全部やったつもりだったけど、自分が込めた感情をフレーズとして具現化できなかったというもどかしい思いはありました。最終的にはちゃんとしたテイクを録れたし、すごく良い作品になったとは思うんですけど。
●感情をフレーズに昇華することをストイックに考えられているんですね。
ねぎ いや、本当に悔しかったんですよ! それでメンバーにも心配かけてしまっただろうし。『WONDERLAND』のレコーディングはドラムから個別に録り始めたんですけど、他のメンバーの収録も見たいという気持ちはありつつ、自分のプレイが至らないから、ちょっと見られないなって……だから、ドラムを録ったらすぐ片づけて、すぐ帰って、すぐ練習という感じでした(笑)。そういう意味でこのレコーディングはすごく印象に残っています。いつまでも頑張れる理由にはなったのかなって。
●このアルバムが、ご自身のプレイを見つめ直すきっかけとなったということでしょうか?
ねぎ そうですね。ドラムでここまで挫折したのは初めてというくらいでした。時代の流れ的には、グリッドが綺麗に整頓されていたり、ドラマーがレコーディングにいない曲もあるじゃないですか。それでも、あくまでロック・バンドであることを大事にしているNovelbrightのドラマーとしては、生で叩かないのはありえないくらいに思っていて……(機械ではなく)人間がやるっていうことに絶対的な意味を感じるんですよね。