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Interview – ネイト・スミス
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- Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Interpretation & Translation:Akira Sakamoto Photo:Laura Hanifin
“魅惑のビート・メイカーの核心”
幅広いアーティスト達をそのセンス溢れるグルーヴィなプレイで魅了する凄腕ドラマー、ネイト・スミス。リズム&ドラム・マガジン20年7月号では、去る4月にリリースされた最新ソロEP「Light and Shadow」を軸に、ビート・メイカーとしての彼を8ページに渡り大フィーチャー。ここでは、誌面では掲載していない彼のセッション・ワークについてうかがったインタビューを公開!
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ネイト・スミスの参加作&ソロ作から、近年注目のディスコをドラマガ編集部が集めたプレイリストを公開中! インタビューと併せてチェックしてみてください!
いろいろなスタイルの
プレイができるというよりも
幅広い音楽に適応するタイプなんだ
●あなたが今、ファースト・コール・ドラマーとして引っ張りダコなのは、ジャズやヒップホップ、R&Bなど、さまざまなジャンルをブレンドさせた独自のプレイが、新しい音楽を求めるアーティストに必要とされているからだと思います。どのような音楽経験を経て、現在のそのスタイルを確立したのでしょうか?
Nate 僕は基本的に独学で、自分の好きなドラマーが参加しているレコードを聴いたり、動画を観てマネしたりして身につけたものがほとんどだよ。ただし、スティーヴ・ガッドやオマー・ハキム、バーナード・パーディ、エルヴィン・ジョーンズ、トニー・ウィリアムスみたいになろうとしたわけじゃなく、あくまでも彼らの最良の部分を取り入れて自分のサウンドを出そうとしていた。つまり僕は、いろいろなスタイルのプレイができるというよりもむしろ、広い範囲の音楽に適応するタイプなんだ。
ちょうど、デンゼル・ワシントンがマルコムXを演じても『ザ・ハリケーン』でボクサーを演じても彼の個性がにじみ出ていて、それが幅広い範囲に適応しているみたいに、僕もそうありたいと思っているんだ。
●ブリタニー・ハワードの『Jaime』のような最近の参加作でも、あなたのまさにそういった面が光っているようですね。
Nate ブリタニーは僕の動画を観て声をかけてくれたけれど、ドラム・パートについてはすでに具体的なアイディアを持っていて、デモを作っていたし、共同プロデューサーのショーン・エヴェレットはスネアだけを使った奇妙なドラム・セットを組んでいた。ベース・ドラムも、スネア・ドラムのボトム・ヘッドを外したものを使ってね(笑)。で、「Stay High」という曲ではそのキットを箸で叩くように言われたよ。つまり、彼女が僕を起用したのは、僕が彼女の求めるようなグルーヴを叩けたからなんだ。
●『In The Blue Light』ではポール・サイモンとの共演を果たしましたが、スティーヴ・ガッドを尊敬するあなたとしては、ガッドも共演したポールとの共演は特別なものだったでしょうね。
Nate それはもう、最高だった。僕は2曲に参加したけれど、彼はとても親切で寛大で、演奏する前に自分の好き嫌いについて教えてくれた。スティックじゃなくてブラシを使ってほしいとか、シンバルはあまり使わずにスネアとドラムを中心に叩いてほしいとかね。
そのおかげで、2、3テイクで作業を終えることができた。でも、注文はその程度のもので、あとは自由にやらせてくれたんだ。あれほどの音楽性の持ち主があれほど自由にやらせてくれたというのが面白かったね。