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Interview -馬場豊心[Northern19]
- Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine
若い頃は埋めないとすごく不安で
無駄に叩きまくってたこともありましたけど
最近はシンプルなところは本当にシンプルにしています
●アルバム制作についてもうかがいたいのですが、作品ごとにかなり方向性を定めているように感じられます。
馬場 僕らは、作品ごとに結構作風が変わっていったと思うんですよね。周りからも言われてましたし。1枚目は本当に超直球でしたけど、2枚目はピアノを入れてみたり、3枚目(『SMILE』)は急に超ポップにしてみたり。でも当時聴いていた好きな洋楽のアーティストって、そういうの当たり前にやっていたんです。わりと多いじゃないですか、前の曲は明るかったのに急に暗くなったりとか。そういうのがあったから、“逆に変えていった方がいいんじゃない?”というのがあったりして。
●特に4枚目の『EMOTIONS』はハードコア路線だったのには驚きました。
馬場 健太郎が、一時期めちゃくちゃハードコアを聴いていたときがあったんです。機材車で一生かけているんじゃないかってくらい(笑)。で、dustboxは昔からハードコアとメロコアのミックスをすごく打ち出していたじゃないですか。それを見て“いいよな、カッコいいよな”と思って、やってみたというのもありますね。
●曲作りでは、馬場さんがドラムをすべて考えるんですか?
馬場 ある程度指示されることもありますけど、大体はそうですね。作り方は結構アナログなんですよ。健太郎が作ってきた一部分をもとに、スタジオに入ってちょっとずつみんなで考えて作っていくので、時間はかかる方ですね。最初の頃も2年おきくらいでアルバムを出してましたし。
●そう考えると、ミニ・アルバムの『FOR EVERYONE』から、リリースのスパンが短くなったような気がします。
馬場 ちょうどレーベルが変わったときで、“一から感”がすごくあったんですよね。気持ち的にはもう一度やりなおすという感じで、“たくさんライブしなきゃ”とか、そのためにはツアーを回らなきゃいけない、それでリリースのスパンを短くしようという流れになってきましたね。その頃、周りのサイクルもどんどん早くなってきて、2年おきだと“置いていかれる”、“忘れられちゃう”という危機感が出てきたのもあります。そのあたりからレコーディングはANDREWさんにずっとお願いするようになって、今回のシングルもそうです。
●「YES」は4曲入りのシングルとなっていますが、ベースの壮大さんの加入が決まってから、すべて作り始めたのですか?
馬場 そうですね。
●バンドではベースの音を聴くと言うドラマーが多いと思いますが、メンバーチェンジがあって、そういう点で変化はありました?
馬場 実は、僕ベースはあまり聴かないんですよ。今ライブではイヤモニを使っているんですけど、点が聴こえやすい分、リズムのヨレがすごくわかっちゃうのが嫌なんです。惑わされちゃうんですよね。“あれ、俺がズレてるのか?”みたいな。しかもコーラスがあるから、どっちかと言うと、ピッチを取るためにギターを聴いていますね。
●そうなんですね! 意外です。最初にできたのはどの曲だったんですか?
馬場 「NOTHING BUT MY HEART」ですね。
●ギターとユニゾンするフレーズが印象的でした。
馬場 リフとガチガチに合わせるのが結構好きなんです。そういうドラムが多いかもしれないですね。さっきの詰め込みたがる話じゃないですけど、埋めるところは埋めるし、叩かないところは全然叩かないですね。若い頃は埋めないとすごく不安で、無駄に叩きまくってたこともありましたけど、最近はシンプルなところは本当にシンプルにしています。「LETTER」なんかまさにそうですね。
●「LETTER」はフィルもほぼないですよね。「DRAIN」もシンプルですけど、中間でブラストのようなフレーズがあって、メリハリのある展開ですよね。
馬場 そうですね。ただ、余計なことはしないように気をつけました。
●「YES」はこれぞNorthern19という感じのファストな曲ですが、普通に考えるとかなりの速さですよね?
馬場 ちょいちょい言われます(笑)。「この曲はそんなに速くないですね。200いくらとかです」と言うと「一般的にはマジ速いよ」って(笑)。
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