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【芳垣安洋のドラム・ノーベル賞!第184回】NYジャズの名サックス奏者、スティーヴ・グロスマン追悼

  • Text:Yasuhiro Yoshigaki

フュージョンがジャズの1つの表現形態として市民権を得ていく中、それとは違った方法論で、マイルスのエレクトリック・バンドをさらに進化させ、奇数拍子やアフリカ音楽的なポリリズムやリフの組み合わせなどを使い、“ミニマル・ミュージック”の概念を取り入れた音楽でした。力強くメロディを幾度も繰り返すグロスマンは印象的です。この頃、ドラムやパーカッションを複数台でアンサンブルするアプローチがいろんなジャンルに登場するようになりました。ワールド・ミュージック・ブームとも関係がある現象なのかもしれません。

75年にグロスマンは自ら、このような民族音楽とジャズとの融合を目指したバンドを結成しています。エルヴィン・ジョーンズ・グループで活動を共にしたジーン・パーラとドン・アライアスと共に組んだ“ストーン・アライアンス”です。以前このコラムで取り上げた、ドン・アライアスの項で紹介したので、細かいことはまたそちらのアーカイヴを読んでもらうことにして、今回は作品の紹介だけしておきます。『Stone Alliance』、『Con Amigos』、『Stone Alliance-Marcio Montarroyos』のグロスマン在籍時の3枚(ライヴ盤も別にあります)は特におすすめ。

今回は、故スティーヴ・グロスマンの参加した名作をお届けしました。

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※これ以前のコラムは、誌面版のリズム&ドラム・マガジンにてご確認ください。

◎Profile
よしがきやすひろ:関西のジャズ・シーンを中心にドラマーとしての活動を始める。モダンチョキチョキズ、渋さ知らズなどのバンドに参加後上京。民族音楽/パーカッションなどなどにも精通し、幅広いプレイ・スタイルで活躍している。菊地成孔やUA、ジョン・ゾーン、ビル・ラズウェルなど数多くのアーティストと共演し、自身のバンドであるOrquesta Libre、Vincent Atmicus、Orquesta Nudge!Nudge!をはじめ、ROVOや大友良英ニュー・ジャズ・クインテットなどでも活動している。ジャンルやスタイル、国籍などを取り払い、ボーダレスに音楽を紹介するレーベル=Glamorousを主宰している。

◎Information
芳垣安洋 HP Twitter