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Lesson – 【Section2】実は“気になる!” エレクトロニック・ドラムって何?

  • Text:Yuichi Yamamoto (RCC Drum School) Photo:Takashi Yashima Illustration:eobrazy(iStock)
Photo:Taichi Nishimaki

楽器屋さんの店頭などで写真のような“電気のドラム”を見たことがある人も多いと思います。これは“エレクトロニック・ドラム”、略して“エレドラ”とも呼ばれるもので、今や“ドラムを始めたい”と思った人が最も気になってくる存在ではないでしょうか? ここではその“エレドラ”で、“何ができるのか?”といった基本から、“機種による活用効果”まで、初心者目線からの“エレドラ”に対する疑問を解決しつつ、その魅力を紹介していきましょう。

“エレドラ”はパッドを叩いた信号で音源が反応し、その音がヘッドフォンやスピーカーを通して耳に届く仕組みです。なので、ヘッドフォンだけで聴く方式のときは、パッドを叩いた生音だけの静かな状態で練習できるし、スピーカーに接続すれば自宅からドーム会場まで、“エレドラ”ならではの高音質を鳴り響かせることもできます。

また、どのモデルにも音声を入力する端子があるので、好きな曲に合わせての練習をすることもできます。その他にも、ドラム・セット以外のさまざまな音が出せたり、メトロノームや練習曲が入っていたりと、ライヴからトレーニングまで、幅広い活用法があります。

〜押さえておきたい“エレドラ”に関する素朴な疑問〜

Q.1 初心者にオススメの“エレドラ”は?

A.1 “エレドラ”は5万円以下から50万円を超すものまでさまざまであり、それぞれの用途からお財布事情、そして家の環境などでいろんな選択ができます。まずはドラムに詳しい人や楽器屋さんと相談し、予算の中から自分に合ったものを選びたいですね。その中でビギナーに注目してもらいたいのは“ペダル部分”。下写真は、“エレドラ”ならではのビーター・レス方式のペダルです。比較的安価なことや床下への振動も少ないことから、気軽に導入できるのがメリットですが、本物のドラムの演奏感覚とはかなり異なります。

ビーター・レス・タイプの電子ドラム(ローランド TD-1KV)。ハイハット・ペダルも独立式

下の写真は、本物のハイハット・ペダルを使う方式。こちらは価格も高くなり、床下への振動もやや大きくなっしまいますが、“ドラムの練習目的”として考えるならば、確実にこちらの方が効果は上。“初心者にこそ”上達アイテムとしてオススメしたいですね!

見た目もドラム・セットそのままなローランドのV-Drums Acoustic Design
発泡シリコンを打面の素材に使ったヤマハの電子ドラム、DTX582KUPGS

また、スタンド類の信頼性というのも大きなポイント。有名メーカーの新品ならばまず心配ありませんが、極端に安いものや中古品はガタガタでまともに練習できないものもあるので、実物のチェックはシッカリとしたいところです。

Q.2 生ドラムの代用としての練習効果はある?

A.2 ドラム教室に通う生徒さんの実例ですが、自宅に何の練習環境もなかった人が“エレドラ”を買ってからメキメキ上達しました。これは“エレドラだから”という理由だけではなく、まず練習そのものが楽しくなり、練習時間も一気に増えたことが大きいでしょう。

また、前述した本物のペダルを使うタイプだったので、フット・ワークの慣れと安定感もグンと増し、結果としてドラム・セット全体の演奏も安定しました。なので“効果はある!”と言えます。ただ、“エレドラ”の魅力(魔力?)である“すぐに良い音が出せる”という部分は、アコースティック・ドラムとは大きく異なります。アコースティック・ドラムを叩く時間も絶対に必要ですね。

Q.3 “エレドラ”は本当に静かなの? 自宅で思いきり叩いても大丈夫?

A.3 ここは誤解されやすい部分ですが、何かを叩いているわけなので音は必ず出ます。ですから思いきり叩けば、それなりの音や振動になります。ただ、その“許される範囲”というのは住宅の環境でさまざま。アパートに住む人で苦情は来ていないという人もいれば、立派なマンションでも、階下の家に振動が伝わって注意されたという話も聞きます。

そう、1戸建ての2階で“エレドラ”を叩くとわかるのですが、同じ2階にいる人は気にならないような音量でも、1階の真下の部屋に行くとビックリするくらい音や振動が伝わっている場合があるんですね。

“エレドラ”の生音は、生のドラムに比べると圧倒的に静かで、ドラマーの練習環境に革命をもたらしました。ただ“叩く”とか“踏む”という動作が同じである以上、近所への配慮は常に心がけたいものです。

◎Profile
やまもとゆういち:現RCCドラム・スクール講師/代表取締役。小学生の頃、尾崎紀世彦のバックで演奏する猪俣 猛の姿に憧れてドラマーを志し、12歳より同スクールにて猪俣 猛氏、田中康弘氏に師事。プロとしての活動をスタートさせ、シブがき隊、光GENJIを始めとするさまざまなアイドルのステージ・サポートやレコーディングに参加。実力派シンガーである葛城ユキのライヴ/レコーディングを1995年より現在までサポート。講師/演奏/執筆活動と幅広く活動しながら、DAWをベースとするアレンジ/録音/プロデュースも行っている。

◎Information
山本雄一 HP
RCC Drum School HP Twitter