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アコースティックエンジニアリングが手がけた“ドラムが叩ける”プライベート・スタジオ Archive #15[東京都 夛田さん宅]
- Photo:Takashi Yashima/Text:Isao Nishimoto
スタジオやライヴ・ハウスなどの防音/音響工事を行う専門業者、アコースティックエンジニアリングが一般住宅に施工したドラム用防音室を紹介している当連載。今回は、東京都在住の夛田(ただ)さん宅を訪問。新築物件に作ったドラム室ということで、いろいろなこだわりが詰まった部屋になっているが、“音楽専用の部屋にしたかったわけではないんです”と夛田さんは言う。あくまでも自宅の一部屋であることを意識した空間を拝見することにしよう。
ドラム・セットが目の前にあるだけで
モチベーションが上がります
イメージしたのは “ドラム・セットのある書斎”
夛田さんは高校の軽音楽部でドラムを始め、大学でも軽音楽サークルで活動。卒業後もドラムから離れることはなかった。学生時代は軽音の部室で、社会人になってからは街のリハーサル・スタジオでと主な練習場所は変わったが、自宅でドラムを叩ける環境が欲しいと考えるようになったのは、あるミュージシャンの自宅スタジオがきっかけだったそうだ。
「Mr.Childrenの桜井和寿さんが自宅の地下に大きなスタジオを持っているのをテレビか何かで見て、“こんな世界があるんだ”と知ってから、ドラム室への思いは頭の中にありました。でも実際に作ろうと思ったのはずっと後のことで、家作りを考えるようになったとき、せっかくなら注文住宅にしてドラムを叩ける家にしようと思ったんです」。
そして複数のハウス・メーカーを検討し、決定した会社から紹介されたのがアコースティックエンジニアリングだった。
「もちろんドラム・マガジンの連載は読んでいて、過去の実績を見ていましたから、アコースティックエンジニアリングさんにやっていただけるんだったら間違いないと思って決めました」。
スタジオを作るにあたって夛田さんが思い描いたのは「生活の中に、常にドラムがある」ということ。
「私は趣味がたくさんある中で、音楽もその1つなので、それが違和感なく溶け込むようにというのは意識しました。この部屋で仕事もしているので、書斎にドラム・セットが置いてあるイメージです。ちょっとした休憩時間にすぐ叩けるのは良いですね」。

内装に関しては、「スタジオらしさがありつつ、家全体の雰囲気に合った部屋にしたかった」と夛田さんは言う。ここでは、アコースティックエンジニアリングの建築設計事務所としての素地が大きく生かされた。
「ハウス・メーカーのインテリア・コーディネーターさんと話をする中で、スタジオの設計担当者さんからもいろいろと提案していただきました。こちらの要望にもすぐ応えていただけて、音のことだけじゃなくインテリアの相談にも乗ってもらえるんだな、というのはちょっとした驚きでしたね。結果、仕上がりはとても気に入っています」。

自分が理想とするドラムの音が
そのまま出ているなという印象
昨年夏に完成した夛田さんのスタジオ。特に重視したのは遮音性だという。
「かなり住宅が密集している地域なので、外に対する音漏れは可能な限りカットしたいと思っていました。あと、夜中に叩くこともあるかもしれないので、家の中に対する遮音をきちんとやっていただきたいというのもポイントでした」。
こうしたリクエストに高いレベルで応えるのも、アコースティックエンジニアリングの得意とするところだ。
「お隣さんと話をしても、音のことで何か言われたことはまったくありません。スタジオは1階で寝室が3階にあるんですけど、夜中に普通に叩いても、寝室には聴こえないそうです。遮音に関しては大満足ですね」。


室内の音の響きは、夛田さんの好みに合わせてデッド寄りに調整されている。
「ギュッと引き締まった音にしたかったので、多少のライヴ感は残しつつ、アタックがきちんと聴こえるくらいのデッドな感じにしていただきました。おそらく吸音と反響のバランスをいろいろ計算してくださったのだと思いますが、壁を斜めにしたり、コンクリートの浮き床にしていただいたりしたおかげで、ドラムを叩くと、いろんな音がクリアに聴こえてきます。自分が理想としていた音がそのまま出ているな、という印象です」。



購入したばかりのドラム・セットも内装によく合っていて、「見ているだけでモチベーションが上がります」と夛田さん。
「今は、毎日ひたすら個人練習しています。練習がすごく好きなんですよ(笑)。これだけ良いスタジオを作っていただいたので、今後はマイクをそろえてレコーディングしたり、動画の撮影もやってみたいです。あとはスピーカーを置いて良い音で映画を観たりとか、夢が広がっています。楽しみですね」。


「親の話によると、3〜4歳くらいにテレビで爆風スランプを見てドラムをやりたいと言っていたそうです」という夛田さんは、6歳からピアノを習い、中学ではブラスバンド部でトランペットを担当。ドラムを始めたのは高校時代で、ロック〜メタル方面に触手を伸ばし、「特にハマったのはドリーム・シアターです」。現在はクラシックやジャズも愛聴する他、「海外のポップ・ミュージックも好きで、最近はジェイソン・ムラーズやエド・シーランなどをよく聴いています」。
*本記事は2026年10月号掲載の内容を転載したものとなります。
アコースティックエンジニアリングとは?
株式会社アコースティックエンジニアリングは、音楽家・音楽制作者のための防音・音響設計コンサルティングおよび防音工事を行う建築設計事務所。1978年に創業して以来、一貫して「For Your Better Music Life」という理念のもと、音楽家および音楽を愛する人達へより良い音響空間を共に創り続け、携わった物件の数は2,000件を超えている。現在も時代の要請に答えながら、コスト・パフォーマンスとデザイン性に優れ、「遮音性能」、「室内音響」、「空調設備」、「電源環境」、「居住性」というスタジオの性能を兼ね備えた、新しいスタイルのスタジオを提案し続けている。
株式会社アコースティックエンジニアリング
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