こんにちは、摩天楼オペラの響です。第11回は、摩天楼オペラの「儚く消える愛の讃歌」のセルフ・カヴァー解説を行わせていただきました。新体制となって1年前にリリースした高速メロスピ系の楽曲で、ドラム・フレーズは摩天楼オペラの中でも最難関と言えるでしょう。今回はイントロ、基本ビート、間奏、2B、アウトロを解説していきます。
◯ Anatomy of Drumming #11 Contents
■ カヴァーのポイント① 〜エフェクト系シンバルの特殊な使い方〜
■ カヴァーのポイント② 〜メタル必須の高速2ビート〜
■ カヴァーのポイント③ 〜シンバルが“映える”パターン〜
■ カヴァーのポイント④ 〜ウラ拍を意識したいハーフ・ビート〜
■ カヴァーのポイント⑤ 〜これまで登場したパターンを組み合わせ〜
■カヴァーのポイント① イントロ〜エフェクト系シンバルの特殊な使い方〜
イントロはタム回しを基本としたフレーズになっていますが、エフェクト系シンバルの使い方が少し特殊です。具体的にはサステインの短いシンバルを、太鼓類と同様に16分連打することでタム回しに組み込んでいます。その際の注意点としては、シンバルと同時にキックを踏んでいるところで、それによってアタック感が加わり、太鼓類に混ぜても違和感のないパターンとなります。また後半に関しては手2打、足2打のコンビネーションが基本となったパターンで構成されています。
■カヴァーのポイント② 基本ビート〜メタル必須の高速2ビート〜
基本ビートは、メタルには必須の2ビートがメインとなるフレーズですが、3拍子の楽曲ということもありキック・パターンに注意して練習してみてください。ここでは2Aを例に説明していますが、16分連打との切り替えや、サビや間奏では16分を踏み続けるパターンなども登場しますので、そのようなキック・パターンにも対応できるようにしましょう。切り替えの大切さや練習方法に関しては、第1回でも解説しているのでそちらの解説をぜひご覧ください。
■カヴァーのポイント③ 間奏〜シンバルが“映える”パターン〜
間奏は足が16分連打の基本ビートからスタートします。そして2小節目、第2回でも解説したパターンですが、2ビートのノリを崩さずにエフェクト系シンバルを入れるビートです。本来左手のみで完結するスネアを右手で叩いてあげるのがポイントで、ここではスプラッシュを使用していますが、ベルやスタックなどのエフェクト系シンバルでも使えるパターンです。後半は比較的簡単で、スネアのウラ打ちからタム回しというフレーズになっています。
■カヴァーのポイント④2B〜ウラ拍を意識したいハーフ・ビート〜
2Bは曲唯一のハーフ・ビートで、スネアが4拍目にくるパターンとなっています。1小節目の5拍目ウラのハイハット・オープンと、2小節目の4〜6拍目がポイントで、どちらもウラ拍を意識して左手を動かす必要があります。そして4小節目のギター・ソロ直前のフィル、基本はタム回しとなっていますが、すべての拍の1打目がエフェクト系シンバルとなっています。これはセッティングによってかなり難易度が変わるため、難しい場合は他のシンバルで代用しましょう。
■カヴァーのポイント⑤アウトロ〜これまで登場したパターンを組み合わせ〜
アウトロは今までに登場したパターンを組み合わせたようなフレーズとなっています。まずはBメロでも登場したハーフ・ビート、6拍目ウラに3連のキックが登場するのでそこに注意しましょう。そして3小節目は、チャイナとスネアの同時打ちと、手2打、足2打のコンビネーションとなっています。ラストはイントロでも登場したスプラッシュを組み込んだタム回し、ここでは前半のタイコ類の移動と、スプラッシュと同時に叩くキック4連打に注意して叩いてみましょう。
◎Profile
ひびき:2014年に本格的な音楽活動を開始し、2019年にVロック・バンド“摩天楼オペラ”に正式メンバーとして加入。同年2月に初の参加アルバム『Human Dignity』でメジャー・デビューを果たす。自身のバンド活動以外にも、さまざまなアーティストのライヴ・サポートやドラム・セミナーの開催、教育現場でのライヴ参加や講師活動など、幅広い音楽活動を行っている。パール/ジルジャンのエンドーサー。
◎Information
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