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ジョン・ボーナムが叩いた「Rock and Roll」の名イントロを紐解く|スタントン・ムーアが示す新たな見解とは?
- Interview:Seiji Murata/Translation:Akira Sakamoto
本日はレッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムの命日。数々の名演を残したボンゾだが、その代表的な1曲が「Rock and Roll」だ。冒頭で炸裂するドラム・イントロは、リトル・リチャードの「Keep A Knockin’」から影響を受けたものとして広く知られている。しかし、ニューオーリンズを代表するドラマー、スタントン・ムーアは、2025年10月号のボンゾ特集で、この名イントロについて興味深い見解を語っている。ここではそのパートを抜粋。「Rock and Roll」の名イントロにはどのような音楽的背景があったのか。その源流と、ボンゾならではの独特なフィールを紐解いていこう。
「Keep A Knockin’」以上に
「Somethin’ Else」に近い
スタントン:「Rock and Roll」のイントロがリトル・リチャード「Keep A Knockin’」のイントロの影響なのは明らかだけれど、多くの人は「Keep ~」のドラマーはアール・パーマーだと思っているし、おそらくジョン・ボーナムもそうだったと思う。でも、実際にあのドラムスを叩いていたのはチャールズ・コナーというドラマーだった。彼もニューオーリンズの出身で、リトル・リチャードのツアー・メンバーだった。だから、リトル・リチャードがツアー中にレコーディングをするときのドラマーはチャールズ・コナーで、「Keep ~」のドラマーも彼だったというわけだ。
でも、例えばエディ・コクランの「Somethin’ Else」(59年)ではアール・パーマーが似たようなイントロを叩いているけれど、これは“ジャングル・ビート”と言ってチャック・ベリーが創始者なんだ。有名な「Johnny B. Goode」(58年)みたいに、3拍目ウラから始まるイントロがね。これはさらに遡るとルイ・ジョーダンの「Ain’t That Just Like A Woman」(46年)という大本に行き着く。
この「Ain’t ~」のドラムはブラシによるビートだけど、ギターのイントロが同じタイミングで始まっている。つまり、ルイ・ジョーダンからチャック・ベリー、チャールズ・コナーが叩いた「Keep ~」、アール・パーマーによる「Somethin’ ~」という流れがあった上で、「Rock and Roll」があるわけで、ボーナムのイントロのグルーヴはアール・パーマーが叩いた「Somethin’ ~」により近いものになっているんだ。
実際、1969年の演奏を収録したツェッペリンの「BBC Sessions」(註:現在では1971年の録音と合わせて『The Complete BBC Sessions』として発売)では「Somethin’ ~」をカヴァーしていて、ボーナムはアール・パーマーのドラム・パートをそっくりそのまま叩いているからね。「Rock and Roll」に近いとはいえ、ボーナムが「Keep ~」を演奏している録音は残っていない。でも「Somethin’ ~」の録音はしっかり残っていて、僕は「Rock and Roll」のイントロは、フレージングなんかの点でもしろ「Somethin’ ~」のアプローチに近いと考えているんだ。
ボーナムの体内のクロックは
ストレートとスウィングの中間
そして、「Keep A Knockin’」も「Somethin’ Else」も、8分のノリはストレートとスウィングの“中間”で、ボーナムがこの“中間”のノリを正確に意識していたのは確かなんだ。「Rock and Roll」のイントロにしても、「Whole Lotta Love」のテーマに戻る部分にしてもね。もっと言えば、ボーナムの体内のクロックはストレートとスウィングの中間で鳴っていて、それが他の誰とも違う、ジョン・ボーナムならではのフィールの源だと思うよ。
僕はもともと、ニューオーリンズのセカンド・ラインや、ミーターズの「Hey Pocky A-Way」や「Cissy Strut」といった曲でのジガブーのドラミングを理解する手段として、スネアを左右のシングル・ストロークで叩きながらストレートと3連符のノリの間を行ったり来たりする練習法を考えたんだけど、(この練習は)ボーナムの研究をするときにも完璧に応用できるよ。あと、ファンキーということでは「Custard Pie」もメチャクチャにファンキーだよね。
計100ページ以上に渡るボンゾ大特集


ロック史に不滅の足跡を残したレッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナム。昨年、没後45周年の節目を迎えたタイミングで、ボンゾに捧げられた最後のアルバム『CODA(最終楽章)』にちなみ、”JOHN BONHAM:the CODA”と銘打ち、集大成となるボンゾ大特集を2025年10月号にてお届け。そのサウンドへの妥協なき探求心、音楽的哲学、演奏テクニック、さらに人間的な魅力まで、多角的な視点から”ジョン・ボーナム”を再検証。小冊子もボンゾ特集で、計100ページ以上に渡る永久保存版の内容をWebでもぜひ!