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    磨きをかけないロウ・フィニッシュのインパクトが抜群!どんな音楽にも馴染みやすいドライ・シンバル|博士 山本拓矢が試したNEW PRODUCTS

    SABIAN
    Stratus Dry Cymbals

    セイビアンのSTRATUSシリーズより、ドライ・モデルが完成した。

    フィニッシュの違いが生む
    短い減衰が扱いやすいドライ・シンバル

    B20キャスト・ブロンズにストラタス・ハイ・インパクト・ハンマー加工を施した本シリーズだが、ドライ・モデルはそれに加えトップ面を削らないロウ・フィニッシュ、ボトム面をトラディショナル・フィニッシュで仕上げ。豊かな低域と高いコントロール性を備え、あらゆるジャンルに自然に馴染む、扱いやすいサウンドを実現したという。発売は10月中を予定。今回は数あるラインナップの中から需要の高い口径をピックアップして検証した。

    レスポンスの安定感が印象的
    表現の骨格を形づくるようなシンバル

     2年半ほど前に、レギュラー・フィニッシュのベース・モデルをレビューしましたが、キャスト(合金)の持つ素性の良さはそのままに、ラインナップが拡充されました。

    名前の通り、非常にドライです。ドライなシンバルにありがちなダーティーさは控えめ、むしろ洗練されている印象で、コントロール性の良さは期待通りです。

    ピングとしての打点の明瞭さはありつつ、よく馴染むタイプの音像なので、厚みのあるアンサンブルでも埋もれず、かといって邪魔にはならない、そんな使い勝手の楽器でしょう。際立ったドライさゆえに、強く打ち鳴らしても、ソフトに響かせても、すぐに消えてしまうので、アコースティックの
    繊細な環境では、緊張感を伴うかもしれません。

    また、空間を埋め尽くすような、長さが持続する大音量の楽器を相手にした場合にも、別の種類のプレッシャーを感じるかもしれません。演奏のスタイル次第ですが、強い個性を持った楽器は、それを生かすためのテクニックやアイディアが求められます。

    タッチへの反応に関して、マフリング(ミュート)が深めのタイコのような安定感があり、これも重要なポイントの1つです。多少タッチが荒れても音像を保ってくれるので、タイコ側の表現に集中しやすいとも言えます。手順や手足のコンビネーション、打面上のヒットする位置、叩き方、強弱など、集中力を傾ける領域を動かすと、表現も自ずと変化します。

    表現そのものを行うというより、表現の骨格を作るようなイメージです。標準的なハイエンドを所有していて、ドライ系を試してみたい方はもちろん、すでにドライ系を揃えていて、その方向でラインナップを充実させたい方にも、試していただく価値がある楽器です。