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    ネイト・スミスも注目する若手女性ドラマー、サヴァンナ・ハリス|9月にクリスチャン・マクブライドと共に来日決定

    • Text:Drums Magazine Web
    • Special Thanks:Blue Note Tokyo

    『モダン・ドラマー』誌の最新号で表紙を飾り、現代のドラム・シーンを牽引するネイト・スミスが、インタビュー内で「今、注目のドラマー」として名前を挙げ、さらに巨匠=テリ・リン・キャリントンも絶賛する若手女性ドラマー、サヴァンナ・ハリス。

    ジャズ界のトップ・ベーシストのクリスチャン・マクブライドが、自身の最新プロジェクト“Ursa Major(ウルサ・メイジャー)”のメンバーに抜擢し、今、ジャズ・シーンで熱い注目を浴びている。

    重鎮ピアニストのケニー・バロンから、気鋭のヴォーカリスト=セシル・マクロリン・サルヴァントまで、多彩なアーティストと共演を重ね、さらに自身が参加するグループ、“ØKSE”(オクセ)でも活動するなど、現在のジャズ・シーンを縦横無尽に駆け巡るサヴァンナ。9月に決定している“Ursa Major”の来日公演を前に、2025年6月号のモダン・ドラマー誌に掲載されたインタビューをソースに、彼女のルーツとキャリアに迫ってみよう。

    3つの都市で育まれた独自のスタイル

    サヴァンナのドラミングの核を形作っているのは、彼女がこれまでの人生で通過してきた3つの都市のカルチャーだ。

    カリフォルニア州オークランドで、ピアニスト兼ドラム職人の実父と、トランペッターの継父という音楽家ファミリーのもとに生まれた彼女は、幼少期からファンク、ゴスペル、ラテン・ジャズが日常にある環境で育った。オークランドと言えば、タワー・オブ・パワーが誕生した街。彼女はこの土地で洗練されたグルーヴを吸収していったという。

    その後、ワシントンD.C.の名門ハワード大学へ進学。ジャーナリズムを専攻する傍ら、地元の強力なジャズ・コミュニティに深くコミットし、ジェリ・アレンやジェイソン・モランといった巨匠たちとの共演を重ねる。ここでD.C.ならではのストリート感覚、そして自信に満ちた佇まいを身につけたそうだ。

    そして2016年、さらなる挑戦のためにジャズの本場であるニューヨークへ移住。マンハッタン音楽院の大学院でケンドリック・スコットに師事し、トラディショナルなスウィングから現代ジャズまで、幅広いエッセンスを習得した。

    地元オークランドで育まれた洗練されたグルーヴ、ワシントンD.C.で磨かれたストリート感覚と自信に満ちた佇まい、そしてニューヨークで学んだジャズ・ドラムの伝統と革新。3つの都市で吸収した感覚が混ざり合うことで、現在のサヴァンナならではのドラミングが形作られていった。

    ルーツとなった多彩なドラマーたち

    彼女が影響を受けたドラマーの顔ぶれは、ジャズのレジェンドからロック、パンク/ハードコアまで実に幅広い。子供の頃に聴いていたドラマーとして、エルヴィン・ジョーンズ、ビリー・ヒギンス、ジェフ・“テイン”・ワッツ、ブライアン・ブレイドの名を挙げ、その後はトニー・ウィリアムス、デニス・チェンバース、グレッグ・エリコの影響を強く受けるようになったという。

    さらにロック・サイドでは、ジョーイ・カスティロ、スチュワート・コープランド、バッド・ブレインズのアール・ハドソン、そしてジョン・ボーナム、キース・ムーン、デイヴ・グロールの名前を挙げ、「圧倒的なパワーが、私がドラムに惹かれた理由。ダイナミック・レンジと柔軟性がありつつ、大きな存在感のあるドラミングが好き」と語っている。

    影響を受けたドラマーを辿るだけでも、彼女が1つのジャンルに収まるドラマーではないことがよくわかる。ジャズが持つ繊細なダイナミクスと、パンクやハードコア、ロックが放つ衝動的なエネルギー。その両極を違和感なく行き来する感覚こそが、サヴァンナのプレイを独自のものにしていると言える。そして、そのハイブリッドな感覚は、自身が参加するグループ“ØKSE”の音楽性にも通じるものがある。

    ケンドリック・スコットから学んだ
    ドラミングの哲学

    サヴァンナのドラミングを語る上で欠かせないのが、マンハッタン音楽院時代に師事したケンドリック・スコットから学んだアプローチだ。彼の教えとしてインタビューでは次のように語っている。

    「多くのドラマーはリズムの視点から曲を内面化しようとしますが、ケンドリックはメロディの視点、次にコード(和声)の視点、そして最後にリズムの視点という、トップダウンのアプローチを教えてくれました。それによって、曲のすべての要素を同時にシェイプできるようになる。機能として、自分が全員を繋ぐ『接着剤』になれるんです」

    ドラムを単にリズムを刻む楽器としてではなく、メロディやハーモニーを含めて楽曲全体を捉えるという考え方。このアプローチは、現在の彼女のドラミングにも色濃く反映されていると言えるだろう。

    さらに「私はまず第一に『ヒットする(叩き切る)』ドラマーでありたい。同時に、女性としてのしなやかな表現力も矛盾なく同居させたい」と語るサヴァンナ。楽曲全体を俯瞰する視点と、力強さと繊細さを行き来する表現力。その両方を大切にする姿勢もまた、彼女のドラミングを語る上で欠かせない要素と言えそうだ。

    9月に控える来日公演では、彼女が歩んできたキャリアやルーツを思い浮かべながら、最高峰のミュージシャンたちと奏でるアンサンブルに注目したい。

    “Ursa Major”の来日情報

    ◉公演情報
    クリスチャン・マクブライド & ウルサ・マジャー


    9月16日(水)〜9月18日(金):ブルーノート東京
    https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/christian-mcbride/

    9月19日(土):高崎芸術劇場 スタジオシアター
    https://www.takasaki-foundation.or.jp/theatre/concert_detail.php?key=2356

    9月21日(月・祝):北國新聞赤羽ホール(金沢ジャズストリート)
    https://kanazawa-jazzstreet.jp

    9月24日(木):ビルボードライブ大阪
    https://www.billboard-live.com/osaka/show?event_id=ev-21498&date=2026-09-24

    【MEMBER】
    クリスチャン・マクブライド(b)
    ニコール・グローバー(sax)
    エリー・パールマン(g)
    マイク・キング(p)
    サヴァンナ・ハリス(d)