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    【Interview】ニコ・マクブレイン – Part 2:使用ブランドの変遷とBritish Drum Co.を選んだ理由

    • Special Thanks:British Drum Co./ELECTORI
    • Interview:Rhythm & Drums Magazine Interpretation & Translation:Atsuhi Shimizu Photo:Yoshika Horita

    こだわりをもってデザインされているし
    比類するものがないくらいの出来になっている
    音が良いのは言わずもがなだよ
    “愚か者を磨くことはできない”ということわざもあるしね

    去る9月に8年ぶりの来日を果たしたイギリスのヘヴィ・メタル・バンド、アイアン・メイデン。British Drum Co.協力の下で実現したニコ・マクブレインへの独占インタビューのPart 1では、来日公演やバンドの現在を掘り下げた。その続きとなるPart 2では、彼の40年以上に渡るキャリアの中で愛用してきたブランドの変遷とこだわり、そして、現在アンバサダーを務めるBritish Drum Co.の魅力について、存分に語ってもらった!

    ツーバスのセットを導入してほしいと言われたけど
    「それはできない」って即座に断ったよ

    ニコ そうだね……昔はソナーで、そのブランドが自分の身体の中に流れているほどだった。15歳のとき、最初に買ったキットがソナーだったんだ。それからプロになって、次に買ったドラム・セットがヘイマンだった。ヘイマンのセットでたくさんの演奏とレコーディングもしたよ。5ピースのドラム・セットで、12”タム、13”タム、16”フロア・タムと22”のバスドラに、14”×5.5”のスネアのセットだった。そのキットにSAKAEのドラムも加えたかな。

    パット・トラヴァースのバンドに加入したときに、彼に「3ピース・バンドだから、ドラム・キットをもっとよく見せたい。ツーバスのセットを導入してほしい」って言われたんだけど、「それはできない」って即座に断ったよ。

    あるとき、ロンドンのハリンゲイの楽器屋に入ったら、そこにソナーのカタログがあったんだ。そのカタログに1912 Phonicシリーズのドラム・セットが載ってた。たぶん、まだ発売を開始したばかりだったんだと思う。確か1976年だ。どうしたらそのドラム・セットを入手できるかと思って、店員に「僕はパット・トラヴァースっていう素晴らしいギタリストとバンドをやっていて、人気もすごいんだ。そのドラム・セットをスポンサーしてくれないかな?」と言ったんだ。

    そしたら彼は「質問させてね。ロールスロイスを誰かにタダで進呈したりするかい?」って聞いてきたので、即座に「ノー」と返答したよ。でも、結果的には原価に20%だけ載せた形で購入することになったんだ。そんな始まりから、20年以上ソナーを使い続けたよ。でも1992年にいろいろなことが変わってしまって、ソナーから離れることにしたんだ。

    次はイギリスのメーカーがいいなと考えて、当時イギリスでドラムを製造していたプレミアと契約した。シグネチャー・シリーズを使って、ラック・システムも作ってもらった。そこからシンバルもすべてラックで組むようになって、19年間プレミアを使い続けたんだけど、その間にキース・ケーオ(British Drumの創業者)との出会いがあった。当時、5〜6年はキースと僕と、クレイグ・バークリーが悪童みたいな感じでいつも一緒にいて、フラッグシップからエントリー・モデルまで、すべてのプレミア製品をこの3人で設計していたんだ。でもあるとき、経営陣の1人から「君はロック・ドラマーでしょ? ジャズ・ドラムのことはわかるの?」と聞かれて、せっかくキースと開発していた製品もチェックする気がなくなってしまったんだけど。

    しばらくして、あるときキースが「プレミアはすべて台湾での製造に切り替わるから、もうイギリスで生産することはなくなる」と教えてくれた。当時のプレミアのオーナーには「プレミアに残ってほしい」と言われたんだけど、「ドラムがイギリスで製造されないのなら、去ります」と返答したよ。

    それでソナーに戻ると、とても美しい2つのキットを使わせてもらうことになった。それが、SQ2シリーズにインスパイアされた“The Book of Souls”キットと“Legacy of Beast”キットだ。とにかくソナーはとても寛大に迎えてくれて、キットも4年間使ったんだけど、また別れることになって切ない気持ちにはなったね。

    その頃、キースがBDC(British Drum Co.)でCASINOのシンバル・スタンドとタム・スタンドの開発をしていて、サンプルを見せてもらった。唯一の問題は、スネア・スタンドがオフセットのクレイドルになっている点だったけどね。個人的にはあまり好きじゃないんだ。

    ともかく、キースに「BDCに来てほしいかい?」と聞いて、話をして2018年からは一緒にやることになったんだ。それ以来ずっとBDCを使い続けている。以上が、僕のドラムの歴史さ。

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