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    【Report】ドラマーズ・パラダイス at 東京楽器博 2024

    • Report:Rhythm & Drums Magazine
    • Photo:Yukitaka Amemiya

    Report ◼️メーカー展示製品 ◼️ドラパラ24スーパーセッション ◼️アーティスト使用機材

    多様なフィールドで活躍する
    ドラマー4人のユニゾンと
    独創性に富んだソロ
    貴重かつ見応えたっぷりの90分!

    「ドラマーズ・パラダイス at 東京楽器博 2024」の1日目には、SATOKO[THE&]、Kid’z[MY FIRST STORY]、仄雲[久遠]、にゃんごすたー出演のスペシャル・ライヴ「ドラパラ24スーパーセッション」も開催。さまざまなフィールドで活躍する4名が集結した貴重なイベントをレポート!

    ASKAや清春といった錚々たるミュージシャンと共演する傍ら、新バンド=THE&(ジアンド)を始動させたSATOKO、アリーナ・クラスの大舞台で熱量の高いライヴを届けるロック・バンド=MY FIRST STORYのKid’z、YOASOBIのライヴ・サポートをきっかけに、次世代音楽シーンに彗星の如く現れた仄雲、そしてハードなメタル・ドラミングを放つ青森出身のゆるキャラ、にゃんごすたー……異なるフィールドで活躍するプレイヤーが集結するスペシャル・イベント、「ドラパラ24スーパーセッション」が開催! その会場となった科学技術館・サイエンスホールのステージには、それぞれが愛用するYamaha、TAMA、Pearl、SAKAE OSAKA HERITAGEのドラム・セットが並ぶ。

    開演時間を迎えると、MCの呼び込みで、にゃんごすたー、仄雲、Kid’z、SATOKOが1人ずつステージに登場。拍手で迎えられながら早速それぞれのセットへ座ると、挨拶代わりのセッションがスタート! まずは、リードするSATOKOの叩くパターンにKid’z、仄雲、にゃんごすたーが順番に加わっていく形で一糸乱れぬユニゾンを聴かせると、今度はにゃんごすたーから仄雲、Kid’z、SATOKOへと戻る形でショート・ソロを回していく。再びユニゾンに移ったところでそれぞれの熱量が増していき、華々しくイベントの幕が上がった。

    4人でのパフォーマンスはいったん終了ということで、個々でのパフォーマンス・コーナーへ。トップ・バッターはにゃんごすたーで、「アンパンマンのマーチ」を1曲目にセレクト。冒頭こそポップな曲調に合わせてシンプルな4ビートを演奏するものの、徐々に手数が増え、後半はお得意のメタル・アプローチを繰り広げるという“鉄板ネタ”で会場を盛り上げる。

    にゃんごすたー

    続いてPay money To my Painの「Weight of my pride」を手数&足数“マシマシ”のアプローチで全力カヴァーすると、身体も熱くなったのか、自身の目や口に扇風機を直接当てて涼む姿で観客の笑いを誘った。ラストには一層ハードなX JAPANの「オルガスム」を叩き上げ、大歓声の中ステージに倒れ込んで完全燃焼! 猫の姿で、流麗かつタイトな高速ビートを絶え間なく繰り出すスゴさをあらためて実感させられた。

    続く2番手は、仄雲。こうしたイベントに単独出演するのは初めてだそうで、まずは挨拶と自己紹介を挟むと、自身がドラム&コンポーザーを務めるバンド=久遠の「オルタナティブ」をプレイ。モダンなロック・サウンドの中で、伸びやかな歌を支えるアプローチを聴かせると、「本当はここで普段やっているルーディメンツを紹介してくださいと言われましたが、省略します(笑)」と話し、サクッと2曲目のパフォーマンスへ。

    仄雲

    楽曲は、自身がライヴ・サポートを務めるYOASOBIの「UNDEAD」で、キメも多く展開豊かな楽曲を、繊細かつテクニカルにプレイ。久遠のナンバー「「僕」を演じる」では疾走感溢れる2ビートなどアグレッシヴなドラミングを畳みかけ、ステージを後にした。

    3番目に登場したKid’zは、まずはオーディエンスに声をかけて会場を温めると、MY FIRST STORYの「蜃気楼」、「東京ミッドナイト」を続けてプレイ。1打1打に存在感のあるパワフルなビートと繊細なシンバル・ワークを効果的に使い分けながら、時にオーディエンスの手拍子を誘うなど、視覚でも楽しませるアプローチを交えて会場の一体感を高めていく。

    Kid’z

    続いてのトークでは、愛用のセッティングを紹介。シンバルについては「口径の大きいシンバルが好きで、19”より小さいクラッシュは使っていません。ハイハットも15”です!」と、こだわりも語ってくれた。ラストにプレイされた「夢幻」に至るまで、持ち前のテクニックに裏打ちされた安定感のある演奏とダイナミックなパフォーマンスに、バンドの屋台骨を担うドラマーとしての頼もしさを感じられた。

    ソロ・パフォーマンスのラストは、SATOKO。実はこの日、新幹線の遅延により会場入りが遅れるなどのハプニングがあった彼女だが、ステージに現れて早々、気さくにトークを繰り広げる。そして、オーディエンスに手拍子でのコール&レスポンスを促したかと思うと、その場で多彩なパターンをプレイし、会場全体を一気に彼女のフィールドへと引き込んでしまった。

    SATOKO

    続く愛用機材の紹介では、お気に入りのアイテムとしてジルジャンのOrientalシリーズのチャイナをピックアップ。その音色が楽曲の中ではどう聴こえるのかという流れからTHE&の「WE ARE BACK」をプレイし、続けてシンバルとバス・ドラムを同時に鳴らすことの重要性にも触れると、早速次のナンバー「GALILEO」で実演。3曲目の爽快なロック・チューン「GAME TIME」では、会場全体がノっている印象だった。

    イベントの締め括りは、再びステージに揃った4人によるスーパー・セッション・タイム! ダンサブルなユニゾンから、それぞれの個性溢れるロング・ソロ回しに展開すると、まずはにゃんごすたーがメカニカルに手数を繰り出し、なだれ込むような高速ツーバス・フレーズを放つなど、全身をフルに使ったソロを炸裂。続く仄雲は、ウラ打ちのダンス・ビートやハーフタイム・シャッフルを交えたグルーヴィーなソロを届けた。

    Kid’zは、スネア・ロールに始まり、起承転結のストーリーを感じさせるダイナミクスに富んだアプローチで観客の手拍子を誘い、シンコペーションを交えた爆発力のあるラストへ。SATOKOは、一打入魂のパワフルなセクションと奇数フレーズを繰り出すパーカッシヴなアプローチを使い分けながら、手拍子の間を設けて会場全体を巻き込むソロを聴かせてくれた。

    そして4人がフル・ボリュームで迫力のユニゾンを届けるラスト・パフォーマンスによって、イベントは大団円を迎えたのだった。タイプの異なる4人のドラミングを一挙に味わうことができるという、大変貴重かつ充実の90分間であった。

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