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ナッシュビルより世界へ広がるスティック・ブランド Innovative Percussion(後編)
- Contents & Text:Rhythm & Drums Magazine
- Photo :Takashi Yashima
要注目スティック・ブランドの
芳垣安洋と伊藤大地が徹底試奏!
音楽の町、ナッシュビル発のスティック・メーカー=イノベイティブ・パーカッション。1992年に小規模のマレット製造専門会社としてスタートした同社は、やがてドラム・スティックにも着手するようになり、ジェームス・ギャドソンやジョン“JR”ロビンソン、チャド・ワッカーマン、ジョーイ・ワロンカーなど、幅広い世代のドラマーが愛用するビッグ・ブランドへと成長(2022年で30周年!)。今回、歌モノ~インストはもちろん、ジャンルの枠を超えて活躍する名手=芳垣安洋&伊藤大地に同社のスティック、ブラシ、ロッズ、ビーターを試奏してもらい、各シリーズ/モデルの印象を対談形式でレポート! その実力を検証してもらった。
※記載されている重量は、あくまで個体の重さであり、
木材の特性上同モデルでも重量が異なる場合があります。
*イノベイティブ・パーカッションに関するお問い合わせは、HPのお問い合わせフォームへ
製品公式HP
「ナッシュビルより世界へ広がるスティック・ブランド
Innovative Percussion(前編)」はこちらから!
試奏●芳垣安洋&伊藤大地
Drum Stick〜Vintage & Legacy Series
軽いVintage、重めのLegacy
木が硬く詰まっている感触はどのモデルにも感じられて
それが太く明るいサウンドにつながっているのかなと思う
芳垣 Vintage とLegacy、長さは同じでチップの形状が違うんだけど、どちらも前重心の先が重い感じは特徴的だと思う。Vintage は一貫して(ウェイトが)軽いね。シンバルはこちらの方が太くてコツっとした音が出ていて、特に5ABが一番明るくその(コツっとした)成分が出るかな。Legacy のチップは真ん中より下の倍音が抜けて出る感じがする。
大地 軽いVintage、重めのLegacy という印象はありますね。共通しているのは、ライドをコツっと鳴らしたいときの(スティックの)振動の感じがダイレクトに伝わるというか、木が硬く詰まっている感触はどのモデルにも感じられました。今回試奏でセットしていたライト・ウェイトの柔らかいライドでも手にエッジのある振動が伝わってきて。その“ 木が詰まっている” 感じが、このスティックならではの明るさにつながっているのかなと思いました。それが基本で、Vintage とLegacy それぞれのチップによってプラス・アルファで音がさらに変わっていく傾向かな。Vintage はやっぱりシンバルがコツコツ言いますね。8A は細いスティックなんですけど、芳垣さんの音を外から聴いてみると、音の詰まった“ コツコツ感” が出ていて良かったです。
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芳垣 細いスティックで言うと7A のナイロン・チップ仕様は、やっぱり素材的なところで下の成分がすごく出るね。ツブ立ちも一番出ると思う。タイコの打面を叩くときにグッと締まる感じがするかな。
大地 ナイロン仕様はチップからの振動というか叩いて伝わってくる感触がブレない感じが良くて、(ナイロン)ならではの音が集まっている感じ、安定感がありますよね。俺は普段7A みたいな細いスティックを使わないんですけど、イノベイティブの7A は標準的な7A よりもっとしっかりしている感じがしますね。芳垣:確かにスティックが細くなったって感じはあまりしないね。細いスティックでもしっかりと音を出したいと思っている人には、太く感じられて良いんじゃないかな。
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