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    新生SAKAEのジャパン・カスタム・スネアをW有松が検証!

    • Photo:Takashi Hoshino Special Thanks:G-ROKS Shimotakaido

    熟練の職人が国内で組み上げた
    新生SAKAE渾身のスネア・シリーズ!

    昨年末、“復活の狼煙”を上げた新生SAKAE。この度、“Japan Custom Snare”としてフォスファー・ブロンズとウォルナットの2機種がリリースされた。ここでは新スネア×2にEvolved Mapleを加えた3種について、9月16日発売の本誌に先駆け、ARIMATSUとMASUO(有松益男)の“W有松”による製品レポートをお届けしていく。

    スペシャル・パフォーマンス動画を公開中!
    その1 今回試奏した全機種を一挙まとめて視聴できます

    試奏:ARIMATSU

    チューニング:MASUO

    今回はスネア同士のコンディションをより近づけて試奏するため、MASUOにチューニングを担当してもらった。

    Phosphor Bronze -フォスファー・ブロンズ-

    旧サカエでもラインナップされていたフォスファー・ブロンズ・スネアがアップデート。3mm厚の重量級シェルは、ソリッド・メタルながら上下には削り出しのレインフォースメントを備えている。フープは外巻きのライティ・ヘイローを装備、スナッピーはウルトラハイカーボン製の36本線というセレクトで、レスポンスも追求されている。豊かな音量&音圧に加え、ダイナミクス・レンジの広さを誇り、存在感のある一発からロー・ピッチでのサイド・スネア的用途まで幅広い使用が期待される。

    Review by ARIMATSU

    ダイナミックさと細かなこだわり
    いろいろな“つき合い方”を試せるスネア


    ソリッド・メタルのスネアは“とにかく音がデカい”ですね。5.5″はすごくレンジが広くバーンと広がる感じで、6.5″は縦にヌケる、叩いている真上に音の塊がくるような印象でした。きっと誰が叩いてもこの圧倒的な音量は担保されると思うんですが、“鳴らしきる”にはフィジカルな部分でコツがいるのは、こういったスネア全般に言えますね。例えば、グリップ位置を変えるだけでも、聴こえ方がだいぶ変わりました。

    外巻きフープ(ライティヘイロー)なので比較的オープンなサウンドだと思いますが、ギターと倍音がぶつかる場面、例えばラウド系のライヴでは、ある程度ミュートして使った方がマッチングも良いように感じます。そして音量がデカいのですごくダイナミックな印象がありますが、レインフォースメントや36本線のスナッピーなど細かいこだわりも感じられますね。どのダイナミクスでも音量に負けないスナッピー音がついてきます。そういったこだわりからくる特性を生かしたり、倍音をコントロールしたり、フィジカル面も含めていろいろ試せるスネアなんじゃないかなと思います。

    Impression from MASUO

    明るめなサウンドですね。ソリッド・メタルですが、扱いやすいというか、以前のSAKAEのモデルと比べて、より鳴らしやすくなっている感じがします。ヘッドによってはハイ・ピッチでもいけるし、ロー・ピッチにしてミュートを施せば、いわゆる今時の感じにすることもできるし、かなり汎用性は高いんじゃないかな。5.5″を使ってみて、もっと太いところが欲しければ6.5″にするのもアリですね。

    GEAR SPEC

    SDM1455PBJ 14″×5.5″ ¥302,500(税込)

    SDM1465PBJ 14″×6.5″ ¥327,800(税込)

    【シェル】フォスファー・ブロンズ(3mm厚 w/レインフォースメント)
    【フープ】ライティ・ヘイロー(10テンション)
    【スナッピー】ウルトラハイカーボン(36本線)

    Walnut -ウォルナット-

    最高級の素材を使用したウォルナット・モデルは、シェルを7プライ7.2mm厚に成型。豊かな中音域とウォルナット独特の響きを損なうことなく、広いレンジと音量を実現したという。レスポンスにも優れており、繊細なタッチにも反応してくれるとのこと。フープは内巻き仕様のマイティ・ヘイロー。スナッピーはウルトラハイカーボンの20本線が標準装備されている。

    Review by ARIMATSU

    硬質さとクリアなツブ立ちで
    独特な存在感を放つ計算された1台


    (同じ木胴の)メイプルとの比較になりますが、すごく締まった、パキッとした、硬質な感じで、フォスファー・ブロンズと同じく、5.5″と6.5″の2サイズですが、深胴の方がより硬さが出る印象ですね。ボリューム的にはがっつり出てくるというわけではないんですけど、存在感があります。例えば、オープンな鳴りの会場でもノー・ミュートでいけちゃうんじゃないかという感じです。ツブ立ちがすごくクリアに聴こえてきて、ロールなどのコントロールもしやすいと思います。

    オープン・リムで叩いたときのアタック感もすごくて、浅めにかけるとしっかり高音も出るので、存在感があるのと同時に変化もつけやすいなと感じました。内巻きのフープ(マイティヘイロー)との相性もすごくいいと思います。そういう、シェルの特性とリムとのバランスを考えて作る姿勢、音がどこにヌケていくのかというのも、すごく考えられて設計されてる印象は昔からあって、それは新しくなっても引き継いでいるなと思いますね。

    Impression from MASUO

    内巻きのフープの性質もあってか、中域がすごく綺麗にまっすぐ飛ぶ印象です。メイプルよりどっしりしていて、まろやかで、歌モノに合いそう。歌を下から支えてくれるようなローがあって、ゴースト(ノート)もクリアに聴こえます。6.5″は中域がより綺麗に出て、5.5″は6.5″では出ないハイ・ピッチが出るから、明確な用途や目的に合わせて選べますね。

    GEAR SPEC

    SD1455WNJ 14″×5.5″ ¥123,200(税込)

    SD1465WNJ 14″×6.5″ ¥132,000(税込)

    【シェル】ウォルナット7プライ(7.2mm厚)
    【フープ】マイティ・ヘイロー(10テンション)
    【スナッピー】ウルトラハイカーボン(20本線)

    スペシャル・パフォーマンス動画を公開中!
    その2 フォスファー・ブロンズ&ウォルナット

    Maple -メイプル-

    最後に検証するのは今年6月のEvolved発売と共にリリースされた、定番とも言えるメイプル・スネア。6プライ7.2mm厚に成型されたシェルには、外巻きのライティ・ヘイロー、内巻きのマイティ・ヘイロー、どちらのフープも選択可能となっている。標準装備のスナッピーはウルトラハイカーボンワイヤーの20本線。今回は通常ラインナップされている中から、14″×5.5″/14″×6.5″/13″×6.5″という3種類のサイズを試した。

    Review by ARIMATSU

    13″のインパクトが個人的ベスト
    ボリュームも申し分ない“優等生”


    メイプルは“優等生”ですね。ボリュームは申し分ないし、もちろんいろいろなジャンルで使える印象です。今回試奏したサイズは3種類なのですが、個人的に13″がすごく気に入りました。今回はMASUO君にチューニングしてもらって、これだけカンカンに張ってるというのはありますけど、14″と比べて全然キャラクターが違いましたね。1インチでこんなにも違うものなのかと思いました。

    “カーン”という音がすごく気持ち良くて、90年代のミクスチャー・ロックだったりとか、ヒップホップだったりとか、自分の大好きなサウンドを彷彿とさせます。叩いてるだけで気持ちが軽快になりましたね。深さが6.5″なんですけど、軽やかなんです。でもしっかり芯もある。前に出てくる感じもあるし、鳴らしやすい。ボリュームももちろんあるし、ピッチを落としていっても絶対面白いと思います。

    メイプルはフープが選べるということで、外巻きの13″と14″×5.5″に比べ、内巻きの14″×6.5″はやはり音が散らない感じになっていて、この組み合わせも相性がいいように感じましたね。

    Impression from MASUO

    メイプルは一番使いやすいんじゃないかな。いろいろなジャンルで使えて、ビギナーの最初の1台にもいいと思いますね。今回3種類の材のスネアが用意されたわけだけど、一番オールマイティーに使えるメイプルがあって、もうちょっとどっしりでローが効いた感じのウォルナット、もっと音を飛ばしたいならフォスファー・ブロンズという具合いに、棲み分けがはっきりしてますね。

    GEAR SPEC

    SD1455MA 14″×5.5″ ¥76,000(税込)

    SD1465MA 14″×6.5″ ¥80,000(税込)

    SD1365MA 13″×6.5″ ¥72,000(税込)

    【シェル】メイプル6プライ(7.2mm厚)
    【フープ】マイティ・ヘイロー/ライティ・ヘイロー ※選択可能
    【スナッピー】ウルトラハイカーボン(20本線)

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