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    Product Report – British Drum Co.

    • Photo:Paul Worpole Photography、Takashi Yashima(products) Special Thanks:ELECTORI CO.,LTD.、G-ROKS Shimotakaido

    職人による伝統的な“妥協のない”製造工程

    ドラム製造の鍵を握る“Cold-Press Moulding”ですが、工程自体は非常に伝統的で、ハンドメイドの際に使われている製法の1つです。業界では一般的に、量産を目的とした“hydraulic heated moudling(油圧式熱加工成型)”がかなり以前から使われてきていますが、それよりも古くから存在していた手法ということになります。

    我が社では“シェル工程前作業”チームがメイプルやバーチ、マホガニーやチェリーといった原材料を受け取り、耐久性と安定性を高めるためにクロス・ラミネートされた2〜3プライに仕立て上げられ、大まかなサイズに整えます。シェル製作チームがそのプライの塊を受け取ったあとは、測定→裁断→接着剤塗布→取りつけ調整を経て、1つ1つ成型工程に投入。この工程自体は非常に時間がかかりますが、正確さと完全性を高いレベルで保持しています。

    すべてのプライが慎重に接合されて完全に“カチッ”とハマるように取りつけられます。耳でも確認できるこの音は、まさに製作チームが目指しているもので、この音が聞こえた時点で、完全に取りつけが行われていることの証明になります。プライの継ぎ目を均等にシェルの周りに分散させて、かつそれぞれのプライがしっかりと整合もされているために、シェル自体の耐久性も向上しています(より早い製造工程では、こういったプライの間の隙間が発生するケースがよくあります)。また、プライが完璧な状態で接合されているため、音ヌケもより良いものとなっているのです。

    弊社では、製造工程に対して“妥協しない”というコンセプトのもと、時間がかかったとしても、結果的には非常に耐久性もあり、鳴りが良くて音色が優れたドラムができると信じています。会社の設立以来、さまざまな議論がありましたが、この職人による手法が他社との違いを生み出し、差別化につながると信じています。

    BDCでは、我々全員がドラム“おたく”でもあり、他のブランドに対しても、各々のビルダーや技術者に対しても非常にリスペクトを持って接しています。常に新しい革命的な考えで開発製造にあたっていますが、過去に伝統的な時間を費やして出来上がった製造工程というのは非常に大切な工法だとも考えています。

    Cold-Press Moulding製法により、“EXO-Tone”フィニッシュも生み出されています。一般的に“wrapped”キットと呼ばれるものと似たようなものですが、違いとしては、(“wrapped”キットは)シェルを製造したあとに巻きつけるように色をつけていくのに対して、最初からラミネートを金型にはめ込みます。これは、この工程で加熱しないために可能なプロセスで、成型工程が終わればすでにカラーリングも施され、さらにズレも最小限に抑えられている状態となっているというわけです。そこから継ぎ目を目立たないようにして、ここから“本当の”フィニッシュが始まります。

    “EXO-Tone”フィニッシュを採用したドラム・セットも続々入荷予定となっている。乞うご期待!