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Report – L’Arc-en-Ciel 結成30周年を祝う有観客ライヴ 30th L’Anniversary Starting Live “L’APPY BIRTHDAY!”(yukihiro)
- Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Takayuki Okada、Hiroaki Ishikawa、Yuki Kawamoto
さらに「REVELATION」、「NEO UNIVERSE」、「花葬」といった不朽の名曲や、yukihiroがレギュラーグリップでサブスネアを刻む「EVERLASTING」などが熱演され、ドローンを使った演出を交えて繰り出される鮮やかなステージングに目と耳を奪われるうちに、本編はいよいよ終盤へ。
伸びやかなヴォーカルとギターフレーズがドラマチックに響き、独特の世界観を演出する「MY HEART DRAWS A DREAM」を経て、ギターが軽やかに行き来する「Driver’s High」、バンドの代名詞的な存在である「HONEY」、バンド全体を押し出すようなジャングルビートが抜群のドライヴ感を演出するキラーチューン「READY STEADY GO」が畳みかけられ、飽きさせない怒涛のラインナップで本編は幕を閉じた。
アンコールでは、観客達とのシンガロングが定番となっている「あなた」の過去のライヴ映像が映し出され、メンバーが再登場。この日のライヴではシンガロングこそ叶わなかったものの、会場の一体感はしっかりと再現されていたように思う。
そして、目玉の1つとしてこの2days公演で初披露されたのは、4年半ぶりとなる新曲「ミライ」。コロナ禍が明けた先への期待が込められた“らしさ”溢れる壮大なバラードながら、ドラムはアグレッシヴで、ダイナミクスの豊かなアプローチが効果的に曲を盛り上げていた印象。今後の4人の活躍にもますます期待の高まるナンバーだった。
続いて、初心に立ち返るかのように、1stアルバムの表題曲「Dune」をプレイすると、手数を炸裂させるドラミングで駆け抜けるような疾走感をもたらす「GOOD LUCK MY WAY」を披露。この日最後のMCでは、あらためて有観客でのライヴの開催を喜ぶと共に、30周年を迎えての所感が語られた。
ラストの演目は、これもまた代表曲の1つであり、それぞれの楽器が歌うように奏でられる幻想的なバラード「虹」。yukihiroがどっしりと叩き込むビートやソリッドなスネアサウンド、そしてドラムセット全体を使った音域豊かなフレーズが印象深く、スプラッシュが入るタイミングの1つ1つまで何とも絶妙。説得力のあるプレイの数々と、ラルクの4人が創る音世界に没入させられるままに、2時間のライヴは終演を迎えたのだった。
30周年のアニバーサリーライヴということで、新旧のヒット曲がふんだんに盛り込まれただけでなく、時にレアな名曲も飛び出した本公演。このライヴを通して、オーディエンスを彼らのバンドサウンドへと次々引き込んでいく各曲のイントロや、1曲の中で展開豊かなアプローチを繰り広げつつも、バンドの一体感からは決して外れることのないドラミング、そして、4人で織りなすサウンドの完成度の高さにあらためて注目させられた。これまでもこれからも、バンドシーンの第一線を走り続けていくであろう“怪物バンド”の貫禄をしみじみと感じる一夜であった。
L’Arc-en-Ciel Official
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