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    【Interview】伊地知 潔[ASIAN KUNG-FU GENERATION、PHONO TONES]

    • Photo:Tetsuya Yamakawa

    感動しながら、ゾクゾクしながら
    その曲が盛り上がっていくのを共有できた

    ●曲ごとにスネアも音色が変わっていますよね? 「Shall we rock?」や「Youth」のスネアがすごく骨太な印象なのですが、今回は楽器もいろいろと使いました?

    伊地知 そうですね。スネアは深胴も使いました。キットはPHONO TONESだと20″×18″のバス・ドラムのセットがメインですね。アジカンでそのサイズを使うと物足りないところがあるんですが、PHONO TONESだといいところにキックのアタックのロー感が出てきて、ぴったりですね。アコースティック的な要素もあるバンドなので、演奏的にベロシティが小さいときもあるんです。インストなので、各自が主役になれる。例えばペダル・スティールが静かめのソロを弾いているときは、こっちも音量のレベルを下げなきゃいけないので、そういうコントロールが20″の方がしやすいんです。やっぱり口径が大きくなればなるほど、弱く叩いたときのロー感が減ってしまうんですよね。ちゃんと鳴らさないと音にならない。口径が小さい方が、ある程度弱く叩いても、踏んでも鳴ってくれるので、たぶんその幅がインストにすごく合ってるんだと思います。

    ●「Youth」で気になった部分がもう1つありまして、最初のピックアップフィルなんですけれども、Hi-STANDARDを通ってきた伊地知さんだからこそお聞きしたいのですが……。

    伊地知 正解です(笑)。

    ●(笑)。

    伊地知 「Youth」はベースの猪股(ヨウスケ)が書いてきた曲だったんです。猪股と出会ったのは、彼がまだ高校生の頃だったかな。まさに僕がハイスタのコピー・バンドとかをやっていたときで、街スタで“すごい高校生がいる”って噂になってて、そのときのことを思い出しちゃって、そのときやってた「Lonely」のフィルをどうしても入れたくなったんです。

    ●そういった一発にこめるエネルギーが伊地知さんのドラミングからはすごく感じるのですが、「Blood, Sweat & Tears」は、前半のカントリー調から、後半でビートが変わる一発のフィルがすごく気持ちいいなって思ったんです。

    伊地知 そこは一番考えましたね。それがちゃんと伝わっているのはめちゃくちゃうれしいです。曲の展開、色を変えるとか、あの4拍でここまで変わるんだよというのを考えるのがすごく好きなんです。確かにかなり時間かけましたね。

    ●クライマックスに向けてメンバー全員の熱量がどんどん上がっていく感じがリアルに伝わってくるなとも思いました。

    伊地知 そうですね、その感じてもらった熱量のままレコーディングした感じがします。さっきも言った通り、テイク数を重ねていないので、あの曲も1〜2テイクしか録ってなかったと思いますね。ああいう曲こそ、やっぱり勢いが大事がなんだと思いました。慣れてきちゃうと、わざとやってしまうんですよね。わかってやるのと、わからないで盛り上がっていくのって、違うじゃないですか。ちゃんと感動しながら、ゾクゾクしながらその曲が盛り上がっていくのをみんなで共有する。すごく大事だと思うんですよね。で、そうやって録ると、聴いたときや演奏するときに思い出して、ライヴでもそういうプレイになるし、すごく大事だと思います。

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    この音ならこういうビートで
    最近はサウンド重視でビートを組み立てますね