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Interview – AKANE[BAND-MAID]
- Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Masanori Fujikawa
「進化した」と言ってもらえるのが一番うれしい
聴いてくれた全員に成長を感じ取ってもらえるよう
ドラムのスキルを磨いていきたい
録り音の違いに
自分でもびっくりしたんです
●今作はサウンドの面でも、AKANEさんの鳴らすドラム・セット、特にタイコの音がよりパワフルに、どっしりと鳴っている印象を受けました。
AKANE 多分、そこも研究の成果だと思います。これまではパフォーマンス面でパワフルに見せていたところもあると思うんですけど、自分の中では“もっと芯まで鳴らしてパンチのある音を出さないとな”っていうのが課題で、ずっと模索していたんです。
それで、自粛期間を機に“これがアタックの出る叩き方で、これが倍音を長くする叩き方……”みたいな感じで、楽器の鳴らし方や音を研究していきました。それがストローク練習とかにもつながって、いざレコーディングに臨んだら、自分でも録り音の違いにびっくりしたんですよ。ミックスのときにも「音の鳴り、変わったね」と言ってもらえて、“叩き方が変わるだけでこんなに音も変わるんだ”とあらためて実感しました。
まだまだ練習は必要なんですけど、ようやく感覚が掴めてきて、スティックの振りの瞬間から“あ、これは伸びるショットだ!”っていうのがわかるようになりました。“お給仕”(=ライヴ)でも、音の変化を感じ取ってもらえるように頑張りたいです。
●BAND-MAIDは “ONLINE OKYU-JI”と題した無観客配信ライヴをこれまでに3回実施されていますよね。昨年12月の第3回では、今作の「After Life」を初披露されましたが、演奏してみていかがでしたか?
AKANE このアルバムの曲は今まで以上に他のパートとの絡みが多いので、メンバーそれぞれが何をやっているのか/自分のリズムがどこに当てはまるかっていうところをしっかり理解しておかないといけないんですよ。
でも、事前にみんなでしっかり話し合ってすり合わせをしていたことと、イヤモニでメンバーの音が鮮明に返ってくることもあって、すごくやりやすかったです。本番がやりやすいのって、素晴らしいことだなと思います。
●それだけメンバーと共有できているということですもんね。ワールド・ワイドに支持を集めているBAND-MAIDならではだと思いますが、この“ONLINE OKYU-JI”は、世界66ヵ国以上から視聴されたというのも大きなトピックですよね。
AKANE 通常のツアーと同じようにフル尺で演奏したんですけど、ステージの前にモニターが置いてあるので、見てくれているみなさんのコメントがリアルタイムで読めるようになっていたんです。コール&レスポンスのときもコメントがバーっと流れていくのを見て、メンバー5人だけじゃなく、みんなで一緒に楽しめているなと思いました。
コロナ禍に関係なく、こんなにたくさんの国を実際にツアーで回るのはなかなか難しいことですし、興味を持ってくれた方にも気軽に見てもらえるので、オンラインで“お給仕”を届けられるのはすごく良いことだと思っています。
●YouTubeで“BAND-MAID”と検索すると、海外の方がBAND-MAIDのMVなどの映像を見たときの反応をセルフィー撮影した“リアクション動画”がアップされていますが、その数の多さにとても驚きました。
AKANE そうなんですよね、いつも見ています! 喜び方とか興奮の仕方がすごくストレートに伝わってくるので、“こんなに喜んでくれているなら、私達も頑張らなきゃ!”と思えて、励みになるんですよ。自粛期間中は特に、そういう動画にけっこう支えられました。 “叩いてみた”とか、演奏動画をアップしてくれる方にも本当に感謝でいっぱいだし、うれしく思っています。
●2月に予定されていた初の日本武道館公演は残念ながら中止となってしまいましたが、今後、いろいろな形で“お給仕”を届けていく上で、AKANEさんがドラマーとして大事にしたいと思っていることは?
AKANE “ご主人様”、“お嬢様”(=ファンの呼称)達に一番喜んでもらえるのは、音を届けることなのかなと思っているので、ドラムもレベル・アップできるタイミングを逃さず、進化し続けることですかね。「進化した」と言ってもらえるのが一番うれしいですし、演奏を聴いてくれた全員に成長を感じ取ってもらえるように、スキルを磨いていきたいです。
◎Profile
あかね:12月14日生まれ、兵庫県出身。幼少期の頃にピアノを習い始め、吹奏楽部ではトロンボーンを担当。18歳のときにドラムを始める。好きな音楽ジャンルはメロコア、パンク、J-ROCKなどで、特に影響を受けたというドラマーは、マキシマム ザ ホルモンのナヲ。大のアニメ好きでもあり、愛用しているTAMA STAR Drumのキットは、新世紀エヴァンゲリオンの惣流・アスカ・ラングレーをイメージした特注カラー。パワフルなドラミングが持ち味であることから、最近は親しみを込めて“ゴリラ”というあだ名がついたとのこと。
◎Information
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