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    【Archive Interview】イーサン・トルキオ[マネスキン]初来日記念インタビュー【本誌22年10月号掲載】

    • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Interpretation & Translation:Taka Matsumoto Photo:Yoshie Tominaga(live)

    ドラマーとしていろんな曲を学んだことは
    音楽全体を理解するのにすごく役に立ったよ
    今も、職業的にはドラマーだけど
    マインドは〝ミュージシャン〞なんだ

    平均年齢22歳という若さにして、世界中の音楽シーンを席巻しているイタリア出身の4人組バンド=マネスキン。来年1月には待望のニュー・アルバム『ラッシュ!』がリリースされる。その発売を記念し、2022年10月号掲載特集「ドラムのミライ」で実現した、ドラマー=イーサン・トルキオのルーツやドラム観に迫るインタビューの一部をお届け!

    ●ドラムはいつ頃、どんなきっかけで始めたのですか?

    イーサン 小さい頃は、食事中とかにフォークなんかで椅子やテーブルを叩いていたんだ。父さんがドラムを買ってくれたんだけど、当時の僕は5歳で、叩くのは好きだったけど、幼かったせいもあって、練習があまり好きじゃなかったんだ。

    ●真剣にドラムと向き合い始めたのはいつ頃なんでしょうか?

    イーサン 13歳のときなんだ。実際にドラマーと呼べるものになり始めたのは、ジャズを演奏するようになったときだよ。マックス・ローチとかバディ・リッチとか、ドラマー以外にも、(ジョン)コルトレーンを初めとして、ジャズの歴史を変えたアーティストも聴くようになったんだ。

    その後、母さんの影響でレッド・ホット・チリ・ペッパーズとか、レッド・ツェッペリンとかを聴いたね。70年代のプログレとかも聴いていたけど、中でも一番ハマっていたのはジェネシスだよ。フィル・コリンズのプレイは、ドラマーとしてすごく勉強になった。

    母さんがザ・ポリスのCDを全部持っていて、僕は1stアルバム『Outlandos d’Amour』の「Next to You」にすごく“パンク”を感じたんだ。スチュワート・コープランドはパンク・ドラマーじゃないのにね。そんな感覚を持ったのは初めてだったよ。そこからパンクにすごく惹かれて、パンクやロック・バンドもたくさん聴くようになった。コープランドは、僕が目標とするドラマーの1人になったんだ。

    ●特に影響を受けたドラマーは、コープランドなんですね。

    イーサン 一番は、やっぱり彼だね。アイディアと、ハイハットの叩き方も本当にすごい。文字通り、ドラム・マシンみたいなドラムを叩くこともあるしね。テクニックの観点ではスチュワート・コープランドで、創造力の観点ではフィル・コリンズっていう感じかな。

    マネスキン(L→R)
    ヴィクトリア・デ・アンジェリス(b)、トーマス・ラッジ(g)、ダミアーノ・デイヴィッド(vo)、イーサン・トルキオ(d)
    New Album『ラッシュ!』
    2023年1月20日発売予定
    ソニー (通常盤)SICP-6505

    ラッシュも僕にとって史上最高のバンドの1つだし、ニール・パートも影響を受けたドラマーの1人だ。この3人が、僕が主に影響を受けたドラマーと言えるかな。

    そのあとは、ナイル・ロジャースのシックなんかのファンクもよく聴くようになった。当時はまだ15歳ぐらいで、それまで生楽器の音楽は聴いていたけど、エレクトロ・ミュージックは聴いたことがなかった。それからEDMに出会って、ダフト・パンクのような音楽をたくさん聴くようになったよ。

    ●幅広いジャンルの音楽がルーツにあるんですね。ちなみに、作曲のご経験は?

    イーサン 14歳のときに、パソコンで音楽を作るようになったんだ。ビートを作ったり、ドラム以外の他の楽器を使ったりしてね。僕は、そのときに、単なるドラマーではなく、“ミュージシャン”になったと言えると思う。ドラマーとしていろんな曲を学んだことは、ドラムだけでなく、音楽全体を理解するのにすごく役に立っていたよ。

    今も、職業的にはドラマーだけど、マインドはミュージシャンなんだ。僕には生楽器の音楽がしっかりと基盤としてあるから、メイン・ストリームの音楽を違う視点で見ようとするときに、その感覚が役立っているよ。

    ●マネスキンは、クラシカルなロックンロールを信条とされていますが、自分達の音楽が世界中で受け入れられている理由はどこにあると考えますか?

    イーサン それは、“メイン・ストリーム”が何を意味するかによるだろうね。自分がやっていることが、多くの人、世界中の何百万人の人に響いたら、それがメイン・ストリームなんだと思う。1つの種類の音楽ばかり聴いている人にとって、現代ではロックが新しいものに聴こえるし、めずらしいものになっている。それが新しく感じられるのであれば、メイン・ ストリームにもなり得るんだと思う。僕達は、古いロックンロールでも、すごく新しい音楽をやることができたと思っているよ。

    インタビューの続きはこちら⬇️

    リズム&ドラム・マガジン2022年10月号

    リズム&ドラム・マガジン2022年10月号

    【イーサン・トルキオ掲載コーナー:ドラムのミライ】
    誌面掲載のインタビューでは、マネスキンのメンバーとの出会いドラマーとしての役割についての意識、持ち前のパワフルなビートを身につける上で役立った練習方法なども深掘りしている。さらに、8月の初来日公演でイーサンが使用した機材の解説もお届け。
    その全貌は、誌面でチェック!