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    Archive Interview−ダレン・キング−

    • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine
    • Interpretation & Translation:Yuko Yamaoka
    • Photo:Tetsuro Sato

    教会で出会った身近なドラマーからの
    影響は大きいと思う

    ●新作『Odd Soul』ではティーンだった頃の自分達のストーリーを描いているそうですが、その時代、あなたはどんな音楽を聴いていたんですか?

    ダレン 音楽に目覚めたって感じたのは、当時のポップ・ロック・ミュージック……ウィーザーやクランベリーズを聴くようになった頃だね。17〜18歳になったときに、ビョーク、BECK、ビースティー・ボーイズなんかに夢中になって、サンプリングを使った音楽……古いレコードから一部を取り出して、バラバラにして、それらをミックスさせて音楽を作り出すっていうことにすごく惹かれたんだ。DJシャドウの存在も僕にとって本当に大きかったね。DJシャドウの音楽にすごく引き込まれて、彼が聴いてきた古い音楽に対する関心が一気に高まったよ。何か別の扉が開いたような感覚だった。

    ●ドラムを始めたのはいつ頃ですか?

    ダレン 10歳だったかな。最初は教会を通してだったね。学生時代にはマーチング・バンドとコンサート・バンドをやっていたよ。同時にバスケット・ボールもプレイしていたんだ。それが1991年なんだけど、その時代は誰もがマイケル・ジョーダンに憧れていたから(笑)、僕も彼のようになりたくてバスケを頑張ったけど……全然ダメだったんだ(笑)。でもボールは持っていたから、“ポン、ポン”って、違うピッチになるようにボールの空気を抜いて、CDプレイヤーから流れる音楽に合わせて、ボールを叩いていたんだ。ベッドのマットレスを剥がして、スプリング部分をハイハットにして使ったよ。そんな調子だったから、親がドラム・セットを買ってくれたんだ。

    ●ドラムは独学で習得したのでしょうか?

    ダレン そうだね。でも教会に通っていたから、素晴らしいドラマーを近くで観る機会には恵まれていたよ。ナッシュビルに引っ越した、18〜19歳頃からレッスンを受けるようになったけどね。

    ●では、どのようにして現在のプレイ・スタイルを培ってきたのでしょうか?

    ダレン 時間の流れと共に形成されていったんじゃないかな。他の人のプレイを見て、そこから学んで取り入れたりこともあるだろうからね。ニューオーリンズにデヴィッド・ハッチンソン、通称“ハッチ”って呼ばれているドラマーがいるんだけど、彼は“技術”と“情熱”のバランスが絶妙の、本当に驚くべきドラマーなんだ。多くのドラマーは、技術と情熱のどちらかが、ちょっと過剰になってしまう傾向があるけど、彼はそのバランス感覚が完璧なんだよ。だから彼のプレイを観るのはとても楽しいね。彼から受けた影響もあると思う。

    ●その他に影響を受けたドラマーはいますか?

    ダレン 僕が育った故郷(ミズーリ州)にデイヴ・シェロンというドラマーがいてね。彼はロック・バンドで苦労して、心がズタズタになった後に、教会に来るようになって、そこでドラムを叩くようになった人なんだけど、彼が本当に素晴らしいドラマーだったんだ。彼がドラムを叩きながら泣いているのを覚えているよ。ドラムを叩いて感極まったんだろうね。シンプルで味わい深いドラムを叩く、クリエイティヴな才能に満ちたドラマーで、僕は彼のことをいつも観ていたよ。クエストラヴやアール・パーマー、ジョン・ボーナム、キース・ムーンからも影響を受けたけど、教会で出会った身近なドラマーからの影響は大きいと思う。