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和楽器バンド 山葵が語るシングル「Starlight」の聴きどころ!
生命のアリア
ラスサビのフィルインは我ながら
面白いところに入ってるなと思いますね
すごく前からの和楽器バンドらしさがあるというか、やりやすかったですね。ぶち込むところはぶち込んで主張するみたいな感じでできましたし。レコーディングもそうですけどライヴでやってても自然と楽しめる楽曲ですね。
もともとアニメの制作チーム側のリクエストとして、バラードというか、テンポが遅い曲にしてほしいというのがあったので、町屋さんが「1番はそういうテイストにして、2番以降は和楽器バンドらしく暴れまくってやろう」ということでああいうアレンジになったみたいです(笑)。
ラスサビの折り返しではさっき言ったようにまさに“ぶち込んでる”んですけど、我ながら面白いところに入ってるなって思いますね。フィルインっていうと次の展開につなげる役割が大きいと思うんですけど、レコーディングのときに町屋さんと打ち合わせしながら、もうちょっとこんな感じとか、そういう感じで組み立てていった記憶があります。
ブルーデイジー
間延びせず続く柔らかいグルーヴ
Superflyのマツキチさんをイメージしました
実は頭の中にいたのは僕の師匠でもあるマツキチさん(松原“マツキチ”寛)なんです。マツキチさんがSuperflyでやってるのをイメージしました。柔らかいグルーヴと言いますか、その中でバック・ビートの気持ちいいところ、スウィート・スポットみたいなところにスネアを落とし込む感じとか、テンポはゆったりなんだけど間延びせずしっかり気持ちいいグルーヴは続いていくっていう、あのフィーリングを出したいなと思ったんです。それに、この曲はそういうのを求められているんだろうなと思ったんですよね。スネアを変えたり、チューニング、叩き方もいろいろ変えたりして、一番曲に合うスネアとコンディションと演奏方法を探りながらというのがいつものやり方で、バック・ビートは基本的にオープン・リム(ショット)はせずに叩いてますね。いつも通り叩いていたら、どうしてもリムのアタッキーな感じが気になったんです。
雨上がりのパレード
その楽曲が本来持つものを考えた上で
感じた上でアプローチをしていくだけかな
比較的今まで和楽器バンドがやってきたようなスタイルなので、この曲もほぼ初見な感じで当日レコーディングをしたんですけど、アプローチしやすかったですね。そこに“身体の使い方”をプラスして。僕の中では疾走感を出したいというのと、あと実はダーティ・ループスを意識したんです。町屋さんがそういうイメージを持っているかはわからないんですけど、僕はちょっとそういう匂いを感じて。テンポ感とかは違うんですけど、転調の感じとか、そこに向かうためのキメ、スピード感はあるけどカチッとしたところはきちんと決めてキレを良くするような感じが、今時のフュージョンっぽいなと思ったので、そういうことを心がけましたね。
僕は、カップリングだからA面の曲と考え方を変えてみようというよりは、楽曲に合わせたアプローチをしたいと思っていますね。例えば今回の曲に関してはメロディが綺麗ですし、爽やかな楽曲だったので、そこの良さを自分ができる範囲の中で一番いい形にすることが大事な役目だと思っていました。作曲者の意図自体が挑戦的な曲、楽曲自体がそういうふうに冒険できるような曲の場合だったら僕もそういうふうなスタンスで、「こういう広げ方もありなんじゃないかな」って提案することもあるんですけど、結局その楽曲が本来持つものって何なんだろうっていうのを考えた上で、感じた上でそれに対してのアプローチをしていくだけかなというふうに思っています。
その瞬間その瞬間、どうすればクオリティが上がるかということしか考えてないので、いまだにレコーディングの前日はナーバスになっちゃいますね。無事乗り越えられるかなぁみたいな。少しヒリついてるっていいますか。毎回レコーディングが終わるたびに“良かった、今回もちゃんと終えられた”っていう感じになりますね。
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