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Interview – カズマ・タケイ[ネクライトーキー]
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昔は情熱100%みたいだったのが
めっちゃ冷静に叩くようになったり
そういう変化が今回のアルバムで見えてきた
ボカロPの石風呂こと朝日(g)を中心に結成された5人組バンド、ネクライトーキーが3枚目となるオリジナル・フル・アルバム『FREAK』をリリース。底抜けに明るいポップ・チューンや静かな熱量を孕んだロック・バラードなど、バラエティ豊かなラインナップとなっている。ここではドラムのカズマ・タケイにインタビュー。自身のドラミングの意識や制作を重ねて見えてきたバンドの成長など、変化を感じた1枚だという今作について話を聞いた。
シンプルなビートで
いかに聴かせるか
説得力を持たせるか
●今回のアルバム『FREAK』ですが、今作もネクライトーキーらしさが全面に出た作品に感じました。
タケイ FREAKという単語自体は、“変わってる”とか“熱狂”、“マニアック”みたいな感じなんですけど、出来上がった曲達も(単語の意味から)そう外れてないというか、そういう意味でネクライらしさが出ていると思います。
●ドラミングの大きな部分で感じたのは、これまでフィルインや独特なフレーズ回しを詰め込んでいたのが、今回はビートが主体になっているような気がしました。
タケイ そこに気づいていただいてありがたいです。前回のインタビューでは、どんどん派手にやっいっても、ネクライは成立するんだみたいなことを言ったと思うんです。そのときとはちょっと意識が変わりまして、シンプルなビートでいかに聴かせるか、説得力を持たせるかというのにこだわりました。趣向の変化でもあると思うんですけど、例えば、今までだったらハイハット・オープンにして左手でゴースト・ノートをめちゃめちゃ入れてたようなビートを、クローズド・ハイハットと2・4拍のスネアだけとか、そういうのを意識して増やしたりしましたね。
●タケイさんのルーツとしても紹介いただいた青山 純さんや、スチュワート・コープランド、デヴィッド・ガリバルディも、ビートのイメージという点では意識したりしてたんですか?
タケイ 曲によってドラマーをイメージしていることは結構ありますね。例えば、「踊る子供、走るパトカー」は(レッド)ツェッペリンの「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」を意識してみたりとか……。
●!!!! ですよね! 間奏のフレーズはまさにと思いました!
タケイ ありがとうございます(笑)!
●あの部分は“ダンダン”っていうのが先にあったから入れてみようとなったんですか?
タケイ そうなんです。あのフレーズがもともとあって、アレンジしようってなったときに、“あれ”でしょって(笑)。
●ボンゾを聴き始めたのはいつ頃ですか?
タケイ 中2〜3くらいですかね。父親がディープ・パープルとかツェッペリンとかを教えてくれて。そのときは良さがいまいち理解できなかったんですけど、高校に入ってから本格的にドラムをやり始めて、キックのダブルを踏めるようになりたいってなったときに、「移民の歌」って定番パターンみたいに認識されてるじゃないですか。そこから意識して聴くようになりましたね。ドラムを始めてからツェッペリンをあらためて聴いたら、全然違うふうに聴こえたんです。高校の同級生に“ボンゾ・フリーク”がいたんですけど、同じ吹奏楽部のパーカッションで、たくさんツェッペリンのCDやら何やらを貸してくれたので、ずっと聴いてました。
●他に今作で意識したドラマーはいますか?
タケイ ツェッペリンに近いところだと、「豪徳寺ラプソディ」のギター・ソロあたりのノリは60〜70年代くらいの、例えばミッチ・ミッチェルとかイアン・ペイスとか、ちょっとスウィング感が残るようなビートを意識して叩きました。ちょっとネチっこくなるかなと思って。「大事なことは大事にできたら」は青純さんやジョン・ロビンソンとか、僕の好きな“ビート・ドラマー”みたいなのは意識しながらやってました。
●「豪徳寺ラプソディ」もそうですけど、「大事なことは大事にできたら」もすごく大きいビートが印象的でした。
タケイ 大きいビートなんですけど音はすごくミニマムに録ってるんです。がっつりミュートして、毛布もかぶせて。淡々と刻む中に、ひっそりと呼吸はしてるみたいな、部屋で1人でいるときにしてる息遣いみたいな、そういう細かいニュアンスにすごく気を遣って、シンプルだからこそそういったことを感じさせるようなドラムを叩きたいと思ったんです。
●確かに、ロック・バラードな中にも緊張感というか、ピリピリしたものを感じました。
タケイ ドン・パン・ドン・パンだけで、特に大きなわかりやすいフィルがあるわけでもなく、ハイハットのちょっとしたニュアンスとかで、勝負したいなと思って叩いた曲ですね。
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初めてちゃんと向き合ったんです”