フックとなるフィルインを散りばめて
「ここが好きなんだ」って言わせたい

●Twitterを拝見すると、「FICTION」は今作でもかなりお気に入りの曲ですよね？

ミツヤス　ですね（笑）。めちゃくちゃ頑張りました（笑）。生ドラムは基本的に8分の刻みで進行して、そこに打ち込みが16分の位置に急に入り込んでくる、というのをやってみたくて、自分で演奏した生ドラムを打ち込みに変換してシミュレーションしたんです。

●すごく凝ってますね。

ミツヤス　めっちゃ苦労したんですけど、レコーディング本番だと、打ち込み部分はもう仕上げているので、ボーっと座ってる時間もあって（笑）。雫さんがラジオで「ずっと座ってたわ、あいつ」みたいな話したりするんですけど、けっこう家で頑張ってますからね（笑）。そういうのもあって今回の打ち込みはかなり思い入れがありますね。

●「FICTION」の生ドラムは、さっきおっしゃっていたフックとなるフィルインも随所に散りばめられてますよね。

ミツヤス　急にそういうのを入れてハッとさせたいみたいな、「ここが好きなんだよ」ってお客さんに言わせたいなと思ってやってます。

●サビ終わりのバスドラのダブルが入るフィルインもそうですけど、2サビ前のタム回しからのバスドラ3連は、いきなりスリップした感じというか、ビートをグっと止めてサビにパスをほっぽり投げるような……（笑）。

ミツヤス　まさにそういうふうに聴かせたかったんですよ（笑）。

●音作りに関してはいかがですか？　機材もいろいろと研究しているように見受けられます。

ミツヤス　明るい曲や速い曲だと、華やかな音を目指しているのでけっこうすぐ決まっちゃうんですけど、そうですね……「JET」はキレを出したくてスネアの上にシンバルを乗せたりとか、「POSE」もけっこうミュートを載せてスナッピーは緩めに調整してます。

●レコーディングではスネアはいつも何台くらい使いますか？

ミツヤス　基本的にいつも2〜3台準備しています。TAMAのハンマード・ブラス、ラディックのブラックビューティーとLM402ですね。華やかな音色はブラックビューティーで、「トゲめくスピカ」みたいな綺麗な曲をやるときはLM402、もう少し太い感じに鳴ってほしいときにハンマード・ブラスって感じで使い分けてますね。

●「ストップモーション」のスネアは、このアルバムの中ではかなり軽やかなサウンドになっていると思うんですけど、この音作りは？

ミツヤス　これ実は打ち込みなんですよ。

●えーーー（笑）!!

ミツヤス　（笑）。かなり生っぽい音を目指して作り込みました。ハイハットは3種類くらい音色を使っていて。完全に打ち込みっぽい音と、少しリアルに寄せた音、で、メインでなっているのは（FXpansion）BFD3の音ですね。1回生ドラムを素材にしてみようとしたんですけど、ちょっと扱いが難しくて、結局全部打ち込みになりました。最終調整はエンジニアさんにしてもらうんですけど、音は全部僕が作ってるので、たぶんキャラクターが出てるのかなって思います。

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