26. 「ハウ・スウィート・イット・イズ」 Drums:リチャード“ピストル”アレン

R&Bの影響を強く感じる、マーヴィン・ゲイの楽曲でのピックアップ・フィル。リズムは典型的なシャッフルとなっており、スネアの連打がクレッシェンドして入ってくるのがポイント。こうした表現からプレイの時代性も感じることができる。

27. 「アフリカン・メッセージ」 Drums:トニー・アレン

アフロ・ビートの生みの親、トニ-・アレンのイントロ・プレイ。彼らの音楽はパートのアタマがわからないような独特なループ感を伴っていて、ドラムのパターン提示で始まる曲が多い。“ドド”というバス・ドラムは、アフロ・ビートのアイコンでリズム構造も独特。

28. 「ウォーキング・オン・ザ・ムーン」 Drums:スチュワート・コープランド

レゲエとロックの融合を試みた、ポリスの音楽性を端的に示すような曲で、スチュワート・コープランドの巧みなハイハット・ワークが生かされたイントロ・プレイ。レゲエ特有のノリをハイハットだけで表現している点に注目し、そのあとワン・ドロップ型のパターンに入っていく。

29. 「He Won’t Go」 Drums:クリス・デイヴ

エフェクティヴなサウンド(この場合はタンバリン)を使って、プログラミングされたような感覚を人力で作り出すクリス・デイヴによるイントロ・プレイ。現代ヒップホップにも見られるモダンなドラム・アプローチである。非常に味わいのあるグルーヴに仕上がっている。

30. 「スポークス」 Drums:ヴィニー・カリウタ

ポリリズミックなプレイを得意とするヴィニー・カリウタの実力が発揮された超絶的なドラム・イントロのフレージング。このフレーズは3拍4連の5つ割りという、説明を聞くと頭が痛くなりそうなアプローチだが、3拍4連の後に続く16分の3つ割りで曲に入るシンコペーションへは素直につながる頭脳的なプレイとも言える。このアルバムでのギターとドラムのコラボはどれも究極的で 、このイントロからもその一端がうかがえる。