NOTES
世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介していく! 今回は「ブラジル系のリズム」のラスト回! ブラジル北部の“イジェシャ・アフォシェ”やサンバとレゲエが融合した“サンバ・ヘギ”、名前のないリズムまでさらに深堀りしていきます。
#8 ブラジル系のリズム③
ブラジル系リズム その6 – イジェシャ・アフォシェ
これもブラジル北部(ノルヂスチ)のリズムで、おそらくシャシャド・ショーチも仲間です。バス・ドラムの位置が変わってくるぐらいのもので、バイヨン、マラカトゥ、サンバ・ヘギ(後述)同様に“大地の鼓動”といったような性格のリズムです。これらのパターンは厳密に分類されているわけではないので、ここだけの話、全部ごちゃ混ぜになってかまいません。ハイハットを16分で刻む必要はあまりなく、むしろ8分やウラ打ちとかの方が“大地”っぽくなりますよ。
Ex-1〜3までまとめて聴いてみよう!
ブラジル系リズム その7 – サンバ・ヘギ/サンバ・ドゥロ
サンバ・ヘギ・チームの音の再現をドラム・セットでやってみました。パターンの作り方としては……スルドは少なくとも2パート必要なので、バス・ドラムとフロア・タムに振り分ける。次にスネアの刻みで埋めてみる、という感じです。
注意点としては、手が3本以上必要な箇所に遭遇する可能性があり、何を省略すべきか試行錯誤しなければなりません。手順とか難関だらけになりましたが、全部やることはありません。感じが出ていればその方が良いのです。この間会ったブラジル人ドラマーが「これがサンバ・ヘギ!」と言って演奏してくれたのですが、フロア・タムぐらいしか叩いていませんでした。
Ex-4〜7までまとめて聴いてみよう!
ブラジル系リズム その8 – ハネたブラジルのリズム
このリズムの名前を知っている方、ぜひ教えてください。このリズムを叩くときの実際の編成はサンバ・ヘギと同様に大人数になります。ハーフ・タイム・シャッフル、ハネ・ファンクと同じですが、録音しているときニュアンスを近づけるのが非常に難しかったです。
岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER
■#1:キューバ系のリズム①
■#2:キューバ系のリズム②
■#3:キューバ系のリズム③
■#4:キューバ系のリズム④
■#5:カリプソ系のリズム
■#6:ブラジル系のリズム①
■#7:ブラジル系のリズム②
◎Profile
岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。
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