NOTES
世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介! 前回に引き続き、「レゲエ系のリズム」。今回は、レゲエ風の16ビート・パターンやスカのバリエーション、ジャマイカの土着のリズムまでをもドラム・セットで実演して解説していきます!
#10 レゲエ系のリズム②
レゲエ系リズム その4 – レゲエ風16ビート
現在のレゲエはこのようにファンク、R&B、ヒップホップそのままのドラミングがほとんどです。どうすればレゲエ的センスが入るか……さりげなくやればレゲエっぽくて、大げさにやるとゴスペル・チョップになる……という感じでしょうか。
レゲエ系リズム その5 – スカ①
トランジスタ・ラジオでロックやパンクを聴いていた人がこうやったらしいんです。ですから本来のスカの音形は2、4拍にバス・ドラム+スネア・ドラムが入り、ハイハットはウラ打ちだったのですが、現在よく聴かれるのはこういったストレートなリズムと思われます。
レゲエ系リズム その6 – スカ②
スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」で聴かれるリズムです。洗練されたスカといったところでしょうか。このリズムは、70〜80年代のコンテンポラリー・ジャズでけっこう流行り、スティーヴ・ガッドやピーター・アースキンが好んで使っていました。
レゲエ系リズム その7 – ダンス・ホール・レゲエ(ジャマイカ)/レゲトン(プエルトリコ)
ジャマイカにも実は周辺諸国の奴隷制の名残的な打楽器アンサンブルが存在しています。4〜5名のグループでの映像で見たことはありますが、ほとんど見られることは少ないようです。これは、そんな流れを汲んできた音形とも思われます。
音の並び的にはソカとほとんど同じで、何とレゲトンはプエルトリコ発祥だそう(このへんの地域は国同士がわりと近いから輸入し合っているのだろうか……)。激しい腰踊りのための打ち込みのビートです。ウラ打ちなどの指定があっても他の楽器にやらせておけばよろしい。ドラム・マシンより刺激的なリズムを作れるかどうかが勝負。
Ex-4〜6までまとめて聴いてみよう!
岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER
■#1:キューバ系のリズム①
■#2:キューバ系のリズム②
■#3:キューバ系のリズム③
■#4:キューバ系のリズム④
■#5:カリプソ系のリズム
■#6:ブラジル系のリズム①
■#7:ブラジル系のリズム②
■#8:ブラジル系のリズム③
■#9:レゲエ系のリズム①
◎Profile
岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。
岩瀬立飛 Twitter YouTube