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Drummer’s Disc Guide – July 2020

– July 2020 –

【A】=アルバム 【M】=ミニ・アルバム 【E】=EP 【V】=DVD、Blu-ray


【A】Fumihiro Ibuki & Friends『CHUBBY CHASER』

d:伊吹文裕/山﨑聖之

ネバりと躍動感に満ちたドラミング
自然な流れで織り交ぜられる今風の技も爽快

過去には誌上ドラム・コンテストでグランプリを獲得した伊吹文裕。その名前は最近もいろいろな場で目にするので、このリーダー・アルバムを楽しみに聴かせてもらいました。何と本作は、緊急事態宣言の出る前日に仲間が集って一発録りしたとのこと。あのタイミングでしっかりと先を見据えた行動力が素晴らしいですね。そしてまた、生み出された音楽がとても熱い! 懐かしいのに古くは感じないR&Bのテイストに、身体が自然に揺れていきます。ネバりと躍動感に満ちたドラミングには今風の技もチラリと織り交ぜられるものの、“違和感0%”の自然な流れでこれもまた爽快。ドラム云々ではなく、純粋に音楽を愛している伊吹氏のハートが伝わってくる作品です。(山本雄一/RCCドラムスクール)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】伊吹文裕/山﨑聖之(d)、山本 連/林あぐり(b)、竹之内一彌/小金丸 慧/小川 翔(g)、高木大丈夫(g、mandolin、vo)、大江康太(g、vo)、森 俊之/井上 薫/宮川 純(key)、宮木謙介(sax)、佐瀬悠輔(tp)、佐々木詩織(tambourine、 vo)

発売元:SHIJIMI RECORDS 品番:SJM-002 本体価格:¥1,800 発売日:2020.06.05

◎Special
誌上ドラム・コンテスト2020「BACK to the FUSION」の二次審査員を務める伊吹が、課題曲の攻略法を指南!
Special Interview – 伊吹文裕

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【A】イミディエイト・ファミリー『ターン・イット・アップ・トゥ・テン』

d:ラス・カンケル

筋金入りウエスト・コースト・ロック・バンド
彼らのグルーヴ、プレイ、サウンド、ほんと好きだ

思えば……僕は彼ら、このミュージシャン達の同行をずっと追っている。もう何年になるだろうか。いつも気になるのです。70年代から、そしてダニー・コーチマーの「ハニー・ドント・リーヴ・LA」から始まったであろうこのバンド。ツアーなどを経て、より“バンド”になっての登場なのです。曲はすべてオリジナルです。これは筋金入りウエスト・コースト・ロック・バンドです。ギター3人というこのバンドのサウンドの肝。ダニー・コーチマー、ワディ・ワクテル、スティーヴ・ポステルのギターの絡みは完璧です。そして何て言ったってラス・カンケル、リーランド・スクラーのコンビはスゴ過ぎです。彼らのこのグルーヴ、プレイ、サウンド、ほんと好きだ。(河村“カースケ”智康)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】ラス・カンケル(d、per、cho)、リーランド・スクラー(b)、ダニー・コーチマー/ワディ・ワクテル/スティーヴ・ポステル(g、vo)

発売元:VIVID SOUND 品番:VSCD-3988 本体価格:¥2,700 発売日:2020.06.24

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【A】ジョシュア・レッドマン、ブラッド・メルドー、クリスチャン・マクブライド&ブライアン・ブレイド『ラウンドアゲイン』

d:ブライアン・ブレイド

非凡な才能、別次元の技術とサウンド、芸術的すぎる音楽性
すべてにおいて現代最高峰のドリーム・チームによる大傑作

まるでMLBやNBAのオールスター・ファン投票でぶっちぎりで1位になってしまうかのような……今のジャズ界4大巨頭の共演……ジョシュア・レッドマンが3枚目のリーダー・アルバムとして1994年に発表した『ムード・スウィング』から1年半ほどパーマネント・グループとして活動していたこのメンバーが再結集、しかもそれぞれのオリジナル曲をレコーディング。彼らが出会った時代を語り合っているドキュメンタリー映像(下記リンク参照)を観てもはっきり判るように、お互いへのリスペクトと認め合っている様子が当たり前のようにそのままサウンドに表現されている。非凡な才能、別次元の技術とサウンド、芸術的すぎる音楽性……すべてにおいて現代最高峰のドリーム・チームによる大傑作。(沼澤 尚/シアターブルック、ブルーズ・ザ・ブッチャー、他)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】ブライアン・ブレイド(d)、クリスチャン・マクブライド(b)、ブラッド・メルドー(p)、ジョシュア・レッドマン(sax)

発売元:ワーナー 品番:WPCR-18350 本体価格:¥2,500 発売日:2020.7.10

◎Memo
本作のメンバー4人がお互いの出会いを語るスペシャル映像!
Redman Mehldau McBride Blade on ‘RoundAgain’(YouTube ※英語のみ)

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【A】MUCC 『惡』

d:SATOち

土台のドラムが質実剛健だからこそ
重いリフが相乗効果でよりヘヴィになる

MUCCに今まで感じてきたのは、作品ごとのコンセプトに沿ったバンド&楽曲の振り幅がすごい。楽曲に関しては“情緒豊か”と言うのが適切かと思います。今作も曲それぞれの表情があり、1曲ごとに脳内にシーンが浮かぶような感覚がありました。逹瑯さんの声は、バックのサウンドとの組み合わせによって真新しさを感じるところもあり、そこもMUCCの楽曲の面白さだと思います。 モダン・ヘヴィネス、メタルな弦楽器隊に対するドラムは低重心かつアナログ的要素も感じ取れるミックスになっていて、聴きやすく面白い。確実なアレンジをするSATOち(d)さんなので“土台”は質実剛健、だからこそミヤ(g)さんとYUKKE(b)さんの重いリフがよりヘヴィに、と相乗効果アリなんだと思います。相変わらずリリース・ペースもすごいなぁと脱帽。個人的にはフック的なM12「自己嫌惡」が好きっす!(晁直/lynch.)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】SATOち(d)、YUKKE(b)、ミヤ(g)、逹瑯(vo)、吉田トオル(key)、葉月(cho)

発売元:マーヴェリック 品番:MSHN-079 本体価格:¥3,000 発売日:2020.6.10

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【V】UNISON SQUARE GARDEN 『UNISON SQUARE GARDEN「Bee-side Sea-side U-side」at Zepp Tokyo 2019.10.16』

d:鈴木貴雄

“タカオ・ベロシティ”とでも呼ぶべき音量感が
ユニゾンにおいてどれだけ重要かを感じてほしい

結成15周年を記念したB-sideコレクション・アルバムを携えて行われたライヴ。選曲がカップリング曲のみという縛りの中(彼らはいつだって自分達を追い込む)、生命力いっぱいに全曲を鳴らしきる意気込み!! もう、どんな曲でも音が出た瞬間に“あ、ユニゾンだ”とわかる領域だ。中でも“タカオ・ベロシティ”とでも呼ぶべき、彼が奏でるドラム・セット全体の音量感が、ユニゾンのバンド・サウンドにおいてどれだけ重要かを感じてほしい。そして放ちまくるフィルインは速射砲のごとき、それが3人のアンサンブルの緻密な計算の上に成立してることが、映像を伴うとよりよくわかる。唯一無二のドラマー、バンドを目指すなら、このウネりを目撃すべき!!(茂木欣一/東京スカパラダイスオーケストラ)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】鈴木貴雄(d)、田淵智也(b)、斎藤宏介(vo、g)

発売元:トイズファクトリー 品番:TFXQ-78183(Blu-ray)/TFBQ-18227(DVD)
本体価格:¥6,500(Blu-ray) /¥5,500(DVD) 発売日:2020.6.24

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