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“煩悩の数”だけリズム・パターン108 -Traditional & World編-

  • 講師:菅沼道昭 イラスト:伊藤丈丸

World編
多国籍でモダンな
アプローチ10パターン

World編では世界中から地域独特の音楽をルーツに持つ、一風変わったリズム・パターンを紹介していく。ラテン・アメリカ、中近東、アフリカなどから幅広く使えるものを10発厳選!


World 01 アフロ・キューバンの“ハチロク”ビート

推奨テンポ ♩=130
▲0:00~ World 01

6/8拍子のアフリカン・クラ-ベに添った形のアフロ・キューバンのパターン。中南米においてアフリカの民族音楽の影響が強いことを示すグルーヴで、リム・ショットとタムのコンビネーションはコンガの奏法を模していると考えられる。キューバのリズムのルーツと言ってもよいだろう。


World 02 ジャズ・マンボ・スタイルのアフロ・キューバン・ビート

推奨テンポ ♩=220
▲0:08~ World 02

ジャズのマンボ・スタイルのパターン。カップのリズムは2・3クラ-ベに添った“カスカラ”のリズムになっている。上記の01と比較すると同じリズムを土台に3連から16分のノリに変化(進化)しているのがわかると思う。本場のリズムではわずかに3連的な訛りが残 っている。


World 03 キューバン・ビートの定番”ソンゴ”のパターン

推奨テンポ ♩=105
▲0:17~ World 03

ヒスパニック系移民によってアメリカで発展したサルサで生み出されたソンゴのパターン。 今ではフュージョンなどでラテン・ビートを演奏する場合の定番となっている。4分に重きを置いた独特なノリが特徴で、スネアのゴースト・ノートは多くの打楽器での合奏の感覚を示している。


World 04 ブラジルのリズム“パルチード・アルト”のバリエーション(1)

推奨テンポ ♩=95
▲0:26~ World 04

サンバのルーツとも言われるパルチード・アルトの特徴を表わしたリズム・パターン。実際にラテン系リズムは2/4拍子で表わされるので2拍ごとのフレーズを入れ替えてプレイすることも可能。( )のように16分で細かく刻むと、よりサンバの感覚に近いパターンとなる。


World 05 ブラジルのリズム“パルチード・アルト”のバリエーション(2)

推奨テンポ ♩=105
▲0:40~ World 05

パルチード・アルトのリズムを利用しながらスネアの連打とフロア・タムを使って構成したパターンの一例。このフロア・タムはブラジルのバス・ドラムとも言えるスルドのサウンドを表していて、バス・ドラムはいわゆるサンバ・キックを利用している。サンバ・カーニバルのイメージのパターンである。


World 06 ボサノヴァの定番パターン

推奨テンポ ♩=130
▲0:48~ World 06

サンバのリズムをもとにしてジャズと結びついたボサノヴァのパターンの1つ。リム・シ ョットのフレーズは3・2クラ-ベに近いもので、小節を入れ替えて2・3にしてもプレイ可能。両足はサンバ・キックと同じオスティナートをキープし、ライドは一定の音量で叩くのがブラジル流。


World 07 東京生まれのレゲエ~スカ・ビート

推奨テンポ ♩=140
▲0:55~ World 07

東京スカパラダイスオーケストラに見られる茂木欣一のレゲエ~スカ・アプローチ。ワン・ドロップのバス・ドラムとスカ特有のスピード感を合わせ持ったようなパターンで、ハイハ ット・オープンはスネアのショット時だけクローズする形。そのスネアの直前のハイハットをやや強めに叩くのがポイント。


World 08 トニー・アレン風アフロ・ビート(1)

推奨テンポ ♩=110
▲1:03~ World 08

アフリカ発信でファンク界にも影響を与えたと言われるトニー・アレン風のアフロ・ビートのパターン。バス・ドラムを“ドドッ・ドドッ”とキ ープするのがその基本型で、それに絡むスネアはごくわずかにハネた感覚を持っているのが特徴。ファンク・ビートとはまったく違ったリズム構造を持っている。


World 09 トニー・アレン風アフロ・ビート(2)

推奨テンポ ♩=110
▲1:12~ World 09

バス・ドラムとスネアの絡みに動きを持たせたアフロ・ビートのバリエーション。“ドド・タタ”という音型が3拍フレーズのようにつなが っているとも見ることができる。リズム・パタ ーン作りのイマジネーションが欧米以上にオ ープンであることが認識できるようなアプローチと言えるだろう。


World 10 中近東的な雰囲気のアプローチ

推奨テンポ ♩=100
▲1:22~ World 10

これは民族音楽的なパターンではないが、ラテンやアフリカンとも違う中近東的な雰囲気を持ったアプローチである。リム・ショットとタムによるフレージングがコンガやジェンベではなくアラブ諸国の“リク”などの皮モノ・パ ーカッションを演奏しているようなフィーリングを持っている。

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