こんにちは、摩天楼オペラの響です。第10回は、King Gnuの「一途」のドラム・カヴァー解説を行わせていただきました。先日放映が始まった『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌となったこちらの楽曲ですが、高速16ビートを中心にドラムの難易度は非常に高くなっています。今回はイントロ、基本ビート、2A、2サビを解説していきます。
◯ Anatomy of Drumming #10 Contents
■ カヴァーのポイント① 〜タム系を使った16ビート・パターン〜
■ カヴァーのポイント② 〜キックの難易度が高い基本ビート〜
■ カヴァーのポイント③ 〜タム系を絡めた変則ビート〜
■ カヴァーのポイント④ 〜ハイハットを生かした16ビート〜
■カヴァーのポイント① イントロ〜タム系を使った16ビート・パターン〜
イントロはタム系を使った16ビート・パターンとなっています。手順などが一見分かり辛いように感じられますが、ハイハットをタムとフロア・タムに置き換えて考えると、シンプルな16ビートということがわかるかと思います。ただしタム系を使用した16ビートは、タイコの跳ね返りが弱いことから、ハイハットを使用したパターンよりも難易度は上がります。キックのパターンは8分ウラに来る比較的簡単なパターンではありますが、3小節目のみ3打連続となっているので注意してください。
■カヴァーのポイント② 基本ビート〜コピー最難関の16ビート〜
この曲の基本となるビートは、間奏、Aメロ、Bメロなどで共通して使用されている16ビートです。このパターンのキックの難易度がとても高く、この楽曲の最難関ポイントと言えるでしょう。具体的には16分ウラとダブルが登場するのですが、特に難しいのが4小節目の最後。このパターンは4小節で一塊のため、この譜面の次の音にもキックが入るのですが、ここでは小節をまたいでダブルを踏む必要があります。楽曲のテンポ的にもここはかなりの難易度になるので、しっかりと練習して挑戦してみてください。
■カヴァーのポイント③ 2A〜タム系を絡めた変則ビート〜
2Aはタム系を使った変則的なビートです。前半はフロア・タム、後半はタムとフロア・タムを使用したパターンになっています。前半のポイントは2拍目のフロア・タムの位置で、通常なら8分ウラから入ってくることが多いのですが、ここでは16分ウラから入ってきているのでそこに注意して叩きましょう。ただし後半に関しては8分ウラから入ってくるパターンになっているので、手数は増えますが、比較的叩きやすいパターンになっていると言えます。
■カヴァーのポイント④2サビ〜ポリリズミックなフィルも特徴の16ビート〜
2サビも基本ビートと同じく、ハイハットを使用した16ビートのパターンとなります。すべてのサビに使用されているパターンではありますが、こちらは比較的簡単で、基本ビートの1小節目を繰り返すフレーズとなっています。2サビは最後のフィルがポイントで、2/4拍子に切り替わってポリリズムのようなタム回しが登場します。第1回でも解説した3打アクセントのようなフレーズが登場するのですが、ここはスネアの位置を音で覚えることで攻略しやすくなります。
◎Profile
ひびき:2014年に本格的な音楽活動を開始し、2019年にVロック・バンド“摩天楼オペラ”に正式メンバーとして加入。同年2月に初の参加アルバム『Human Dignity』でメジャー・デビューを果たす。自身のバンド活動以外にも、さまざまなアーティストのライヴ・サポートやドラム・セミナーの開催、教育現場でのライヴ参加や講師活動など、幅広い音楽活動を行っている。パール/ジルジャンのエンドーサー。
◎Information
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