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ドラムが叩ける!お宅訪問[Webオリジナル]#6 埼玉県在住 柴田鑑三さん 宅スタジオ

  • 取材:編集部 撮影:八島 崇
  • 編集:西本 勲

リフォームでも高遮音を実現して
音漏れを気にせずに演奏できる

先述したとおり、スタジオを作るにあたって柴田さんが最も重視したのが遮音性能だ。

「地方の閑静な住宅地なので、特に夜はものすごく静かなんです。しかも、スタジオがある側の隣家は距離が近いので、とにかく外に音が漏れないようにということは強くお願いしました」

そこで、通常アコースティックエンジニアリングが施工するドラム用防音室よりもワンランク上の遮音性能を実現するべく、隣家に近い側の壁をモルタルで補強。その結果、想定していた以上の高い性能が得られた。

スタジオ平面図と遮音性能。アコースティックエンジニアリングでは、自宅スタジオの遮音性能を標準仕様でD-65等級、高遮音仕様でD-70等級と定めている。前者は建物の外でバス・ドラムやベースの低音域をかすかに聴き取れるレベル、後者はそれらを注意深く聴いて認識できるレベルとなる。柴田さんのスタジオでは、壁を遮音補強した南側はD-75等級と高遮音仕様のレベルを上回り、西側も彩光窓がありながらD-70等級を得ている。

「予算に限りがある中でも実現可能なところで、壁の補強案を出していただき、とてもありがたかったです。窓をつけると遮音性能が落ちると聞いていましたが、窓のある側は道路に面していて隣家と距離があるので、だったらつけてもらおうと。結局それでも遮音性能は十分で、室内もとても明るくなりました」

ガラス3枚で構成された横長の彩光窓。元の和室にあった掃き出し窓に比べるとわずかな大きさだが、これだけでもスタジオの閉塞感を和らげるのに大きく寄与している。前の道路から中の様子が見えないように、高めの位置になっているのもポイント。
ドアは内側がスチール製防音ドア、外側が木製防音ドア。天井の高さをしっかり確保したいというのも柴田さんの要望だったそうで、床を大きく下げて実現している。ドアの左にはインターホンとフラッシュ・ライトが備えられ、練習中でも来客に気づいて応対することができる。

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ハードヒッターなのですが
音の響き方もとても気持ち良いです