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    ドラムが叩ける!お宅訪問[Webオリジナル]#2 埼玉県在住 髙木雄紀 さん宅 “DRUM STUDIO BxOxB”

    • 取材:編集部 文:西本 勲 撮影:関川真佐夫

    完成したら何十年も使うスタジオなので
    遮音だけでなくサウンド面でも満足したい

    こうして完成したスタジオは、ツーバスの爆音をものともしない高い遮音性能を実現。アコースティックエンジニアリングの設計担当者は「鉄筋コンクリート造の建物に施工した場合と同等のレベル(※本例は鉄骨造)」と太鼓判を押す。屋外への音漏れだけでなく、屋内の住居部分に対する音漏れも格段に抑えられている(具体的な数値は記事終盤の図面を参照)。

    「小さな子供がいるのですが、ドラムの音で起きてしまったことはありません」と髙木さんも胸を張るが、それ以上に満足しているのがスタジオの音質だ。

    「出音は本当にバッチリ。メインのドラム・セットがツーバスで、レッスン用にもう1台セットがあるので、基本的にデッド寄りにしてもらっています。2台同時に叩いても、音が回ってしまうことはまったくありません。音の響きに関しては、床をコンクリートにしてもらったのも大きいですね。アコースティックさんのショールームで、床がコンクリートとそうでないところの両方にドラム・セットを置いて聴き比べさせてもらったんです。それで同じ部屋、同じドラムでもかなり違うことがわかって、ウチは絶対コンクリートにしてほしいとお願いしました」。

    床をコンクリートにすることで引き締まった低音が得られる一方で、「遮音性も、ショールームで聴いたときの体感は結構違いました」と髙木さんは言う。これについては設計担当者も「しっかり防震されていれば、床がコンクリートでも何でも遮音性能は変わらないと考えていましたが、新たな発見でした」と話していた。

    「自宅に作るスタジオなので、やっぱり遮音性能は一番気になります。ただ、アコースティックさん以外に話をした業者は、遮音性能と値段の話ばかりというところが多かったんです。でも、完成したスタジオで何十年も音を鳴らすのは自分ですから、サウンド面でも満足できないと意味がない。その点で一番信頼できるのが、アコースティックさんでした」。

    メインのキットと向かい合うように置かれた、レッスン用のTAMAインペリアルスター。
    小学生以下の生徒も無理なく叩けるように、バス・ドラムが18″のコンパクトなキットを選んでいる。
    「リハスタでのレッスンは1台のセットを使い回すので、ここでの2台体制はとても好評です。実際、ここでレッスンを始めてから若年層の生徒さんの実力はかなり上がりました」。
    PAスピーカーは天井から吊るスタイルで、スタジオ内のスペースを最大限に使うことができる。
    スタジオの出入り口は鉄製防音ドア2枚。
    住宅内のスタジオによく使われる木製防音ドアより高性能だが、他の部分の遮音性能と釣り合っていなければ意味がない。
    つまり、鉄製ドアを使っているということは壁も含めたスタジオ全体の遮音性能が高いことの証でもある。
    ドア2枚の間のわずかなスペースに、スタジオの床と同じビニール・タイルが貼られている仕上げの細かさにも注目。
    PAミキサー(MTR機能も備えたタスカムModel 16)や自作PCなどの機材類。
    これらを部屋の隅に置くことで、サウンド・トラップに近い効果もあるという。

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