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ロック、ジャズ、フュージョンを筆頭に、あらゆる音楽スタイルを自在に叩きこなす世界最高峰のドラマー、サイモン・フィリップス。彼が主宰するソロ・プロジェクト“Protocol”の最新作『Protocol VI』が、6月5日にリリースされる。
コンセプトはポップ
スタイルはフュージョン
“Protocol”は1988年に始動し、30年以上に渡って続けてきたまさにライフワークとも言えるプロジェクト。TOTO、ジェフ・ベック、ミック・ジャガー、上原ひろみらとの活動で圧巻のキャリアを築いてきた彼が、ドラマーとしてだけでなく、コンポーザーとしての才覚を惜しみなく注ぎ込んできたシリーズでもある。
そもそも“Protocol”は、サイモンがインストゥルメンタル・ミュージックのあり方を模索する中で生まれたプロジェクトだ。2014年8月号のインタビューでは次のように語っている。
「当時、インスト・ロックやフュージョンに、もっとメロディを加えたいと思っていたんだ。コンセプトはポップで、スタイルはフュージョンというイメージだった」(2014年8月号)
ジェフ・ベックとの活動を通じてロック・インストゥルメンタルの感覚を培ってきた彼にとって、“歌のない音楽”は表現の自由度が高い一方で、構造的に複雑になりやすい側面もあったという。
「シンガーがいれば音域はある程度限られるけど、歌詞によって別の表現が生まれる。でもインストの場合は、5オクターブ以上の音域を使える分、ハーモニーはより広がり、深くなっていく」(2014年8月号)
そうした特性を踏まえつつ、あえて歌モノ的なコード進行を取り入れることで、インスト・ロックに新たな変化をもたらすことをねらった。
「子供の頃から複雑なハーモニーが好きだったけど、当時はジャズ寄りになりすぎるのは避けたかった。もっとダイレクトでポップな音楽をやりたかったんだ」(2014年8月号)
その結果として誕生したのが、シーケンサーも駆使して制作された『Protocol』だった。
初期コンセプトが現代的な
バンド・アンサンブルの中で再構築
そのスタートから38年が経ち、発表されたシリーズ第6作となる『Protocol VI』では、その初期コンセプトが現代的なバンド・アンサンブルの中で再構築されている。
現在の編成は、アーネスト・ティブス(b)、オトマロ・ルイーズ(key)、アレックス・シル(g)、そして初参加となるフィリップ・ワック(sax)という布陣。長年の活動で培われた緻密なアンサンブルをベースに、各メンバーの個性を前提とした楽曲が展開される。
全曲サイモンによる作曲ながら、ギタリストのアレックス・シルとの共作も取り入れられている。ミックスもサイモンが手がけており、そのサウンドにも注目したい。単なる継続ではなく、常に更新の連続でもあったプロトコル・プロジェクト。『Protocol VI』は、その現在地を示す一作として位置づけられるだろう
なお、本作のリリースにあわせて、レコーディング・メンバーと共に来日公演も7月に決定。最新作の楽曲を軸に、深化を続けるバンド・アンサンブルを体感できる貴重な機会となりそうだ。
◉作品情報
『プロトコル6』 サイモン・フィリップス
ユニバーサル UCCU-1703(6月5日発売)
1 アンドロメダ
2 アンステイブル・グラウンズ
3 イントレピッド・トラヴェラー
4 アズ・ザ・リヴァー・フロウズ
5 コード・4・クリプトス
6 イヴェント・ホライゾン
7 サンダウン・イン・オールド・タウン
↓詳細はこちら↓
https://www.universal-music.co.jp/simon-phillips/
◉公演情報
サイモン・フィリップス & プロトコル6
ブルーノート東京
2026年7月4日(土)、7月5日(日)、7月6日(月)
↓詳細はこちら↓
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/simon-phillips/